経営者・従業員向け保険情報ラボManagement and Employees Information Lab

民間医療保険の必要性を考える

2018.09.12
分類:医療保険
【はじめに】 日本には公的な医療保険制度が存在しますが、大多数の人は民間の生命保険・医療保険にも加入しています。生命保険文化センターが行った「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」では、2人以上世帯の世帯主のうち8割以上の人が任意の医療保険に加入しているというデータが出ています。 しかし一方で、民間の医療保険は必要ないと考え、入ってない人も2割近くいます。 今回は、医療保険が必要な人と不要な人についてまとめます。

【民間医療保険が必要な人、不要な人】

1.医療保険が必要な人 (1)急な出費に対応できない人 高額医療制度で医療費を安く抑えるにしても、入院や大きな手術などをすると8~25万円の現金が必要になります。 常に10~25万円の貯金をキープするのが難しい人は、医療保険に加入して毎月少しずつ保険料を払っていくほうが良さそうです。 最近は、毎月2,000~3,000円で加入できる保険商品も増えています。 (2)選択肢を増やしたい 病気や怪我で入院したときは、個室でゆっくり療養したいと考えるかもしれません。 しかし、「他の部屋が空いていない」とか「菌に感染すると命に関わる」などのやむを得ない理由を除くと、個室の差額ベッド代は自己負担となります。 また、保険適用外の治療を受ける場合も自己負担となります。 そんなとき、医療保険に加入していると、受け取った保険金で差額ベッド代や先進医療にかかる治療代を捻出することができます。 病気になっても、なるべく多くの選択肢の中から選びたい人は、医療保険に加入したほうがおとくになる場合があります。 2.医療保険が不要な人 (1)公的な医療保険で充分と考える人 日本の公的医療保険には、「高額療養費制度」というものがあります。 これを利用すると、入院した場合や大きな手術を行った場合も、1カ月当たりの医療費は8~25万で抑えられるようになります。(※最大限度額は所得によって変わる) しかし、この制度の限度額は1カ月単位で計算するため、1回の入院でも月をまたぐ場合はもう少し出費が大きくなります。 また、高額医療制度を1年間に3回以上利用すると、4回目以降は限度額が44,400円となります。 この制度を使えば、病気で入退院を繰り返した場合も、百万単位の出費が出る心配はありません。ただ、最低10~25万円くらいは貯金しておく必要はあります。 (2)割に合わないと考える人 「保険商品は割に合わない」と考える人もいます。 例えば、30歳の男性が月額3,390円で1日入院1万円の終身保険に加入したとします。 仮に80歳まで払い続けたとすると、保険料の総支払額は2,034,000円となります。 約200万のお金で、保険適用外の治療が受けられたり、個室の差額ベッド代を出したり、家族の生活費の足しにしたりできることを踏まえて、割に合うかどうかです。 80歳まで大きな病気にかからず健康に生きられれば200万円も支払う必要はないし、80歳までに病気にかかる心配があれば大きな支えとなります。

【最後に】

医療保険が必要な人と不要な人についてまとめました。 考え方は人それぞれですが、医療技術の発達により80歳まで生きるのが普通となった現代では、長い一生の中でどんなことが起こるか分かりません。 保険に限った話ではありませんが、自分を取り巻く環境が今と変わっても納得のいく選択ができるように、普段から備えておきたいものですね。