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医療保険でいう保険者とは何か?

2019.01.15
分類:医療保険
【はじめに】 医療保険には被用者保険や国民健康保険などいろいろと種類がありますが、保険に加入している人で構成される被保険者と保険者の違いについて知っている人は少ないと思います。 今回、医療保険・健康保険における被保険者と保険者の違いについて紹介したいします。

【被保険者とは】

医療保険に加入していて、病気やケガ、入院の際に給付金を受けることのできる対象者のことを「被保険者」と呼びます。 また、健康保険における「被保険者でない」とされる条件については以下のようになっています。 ・船員保険における被保険者 ・国民健康保険組合の事業所で雇われている方 ・健康保険の保険者(事業主)、共済組合の認可を受けて国民健康保険に加入した方 ・所在地が不確定な事業所に使用されている方 ・後期高齢医療の被保険者 つまりこれら条件に該当しない健康保険加入者はすべて健康保険の「被保険者」ということができます。

【保険者とは一体何か?】

健康保険でいう保険者とは健康保険事業の運営主体のことで以下2つの団体が存在しています。 1.健康保険組合 この団体はその組合員である被保険者の健康保険を管掌していて、一つの企業で設立する場合や同種同業の企業が合同で設立するパターンがあります。 この組合を設立するためには、厚生労働大臣の許可を受ける必要がありまた、ある一定数の被保険者を雇用している必要があります。さらに設立にあたっては被保険者の半数以上の同意を得た規約の作成が必要です。 また、組合として認可されれば、保険の給付や保健福祉事業を行えたりするなど自主的な事業運営が可能になります。 さらにこの団体の議決機関としては被保険者と事業主の代表者で構成される「組合会」がそれにあたり、運営上の方針や事業計画、予算を組むことが主な仕事となっています。 また組合会の中から選ばれた構成員で組織される「理事会」というものもあります。理事会の主な仕事は組合会で決定した方針に従って実際に「健康保険組合」を運営・事業の執行をしていくことになります。 2.全国健康保険協会 健康保険に加入している方のうち、健康保険組合の構成員以外の被保険者を管理している団体のことです。

【一般的な保険者とは何か?】

一般的な意味での「医療保険者」とは医療保険事業を実施するために加入者から保険料を徴収したり、各種保険の給付を行ったりする事業主のことで簡略的に「保険者」と呼ばれることもあります。公的医療保険でいえば「健康保険証の発行機関」のこと、また健康保険における「保険者」とは関しては上記述べた団体が該当します。 また、自営業者、退職者、農業従事者などが加入する国民健康保険の場合、「国民健康保険組合」や「市町村」が保険者とみなされます。

【まとめ】

いかがでしたか?保険者、被保険者、また各医療保険における加入団体の違いについて紹介いたしました。医療保険にはさらに公的なものと民間のものに分けられ、民間の医療保険の場合には保険会社がそのまま「保険者」となります。必要な知識として押さえておきましょう。