経営者・従業員向け保険情報ラボManagement and Employees Information Lab

医療保険の問題点を考えてみよう

2019.04.22
分類:医療保険
【はじめに】 私たちが暮らす日本では、国民全員が公的医療保険に加入することができ、安心して医療を受けることができるようになっています。しかし、医療保険は完璧ではありません。国民皆保険が持続できるかどうかが近年問題視されています。医療保険の問題点とは何か紹介していきます。

【収支のバランスがおかしくなっている日本の公的医療保険】

日本の医療保険制度に危機が訪れていると言われています。医療保険の収支のバランスがおかしくなり、保険者の財政状況が悪くなっているからです。 支出は医療の際に必要となる費用で、収入は国民が支払う保険料と病院の窓口で支払う医療費です。今のところはこれまでの貯蓄で何とかなっているのですが、この先収入が減少して支出が増加することになると、制度を維持することができなくなる危険性があります。

【なぜ医療費が増えているのか】

医療費増加の原因は2種類あります。 1つめは高齢者の増加です。厚生労働省の年齢階級別国民医療費(2009年度)によれば、医療費のうちの多くが65歳以上の高齢者にかかるというデータが出されています。 2つめの要因は、医療技術の進歩です。医療技術が発展したことにより、国民が高い品質の医療を受けることができるようになったのですが、その分費用がかかるようになりました。例えば治療の際、使われることが多いMRI撮影は1回あたり14000円かかります。 ハイテクな機器を使う医療行為の単価は高額になる傾向にあるのです。

【保険料収入が減っている】

医療保険の問題として大きいのが、保険料収入の低下です。 これは、日本の経済成長と労働人口が減っていることが原因です。国民皆保険が導入された時代は、日本は経済成長しており、雇用も現代とは違って安定していました。そのため、保険料の収入が今よりもありました。 ところが、1990年代にバブルが崩壊し、日本の経済が不安定になり、労働人口が減少して保険料収入も減ってしまいました。

【2025年問題を解決するには】

2025年に日本は大きな問題を抱えると言われています。 2025年は人口のほとんどを占める団塊の世代が75歳を超えます。年間医療費は今よりも多くなり、公的介護保険の増加も危惧されています。そのため、1人1人の負担を増加させたり給付の引下げなどを行って対処したりすることが必要になってきます。 公的医療保険を維持することが難しい時代に突入するため、国民も相応の負担をしなければいけないことを覚悟しておきましょう。

【まとめ】

国が抱える医療保険の問題点を紹介しました。私たちにとっても他人事ではなく、しっかりと考えなければいけないことです。今のままでは国民皆保険を維持することが難しくなりますので、負担を受け入れることも大切なことです。最後までご覧いただきありがとうございました。