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大腸に憩室ができた場合の対処法とは?

2016.05.18
分類:医療保険

大腸憩室とは?

人間の内臓にポケットのような小さい袋が内側から外側に向かってできることがあります。これを憩室と言いますが、大腸の壁にできた憩室を大腸憩室と言います。

大腸憩室は大腸の壁(粘膜)の一部が袋状に外側に飛び出してできます。症状がないため大腸検査を行った際に偶然発見される場合が多くみられます。症状がない場合には特に治療する必要はありません。

大腸憩室の特徴

大腸憩室は先天性のものと後天性のものに分類されますが、その多くが後天性のものです。憩室ができる原因は、大腸内の圧力が上昇することです。近年では食生活の欧米化により、食物繊維の摂取量が減少し肉食が増えた多ため、腸管のれん縮や便秘、腸管内圧の上昇が起こりやすくなっています。年齢とともに増加傾向が見られ、日本人では60歳以上の約2割、欧米人(アメリカ人)の場合だと60歳以下の約半数に見られます。

日本人の場合は大腸の右側にできる場合が多く、欧米人は大腸の左側に多いと言われていましたが、日本人でも最近では左側にできる場合が増え、高齢の場合では左右どちらにも見られるケースが増加しています。

自覚症状の有無

大腸憩室は自覚症状がほとんどの場合でることはありません。しかし中には発熱や腹痛、下血といった症状が出る場合もあります。症状の原因は、袋の中に溜まった便による炎症で、腸内圧が上昇し便が溜まることによる刺激で腸壁の血管に傷がつく場合があります。

例えば右側の大腸に憩室ができていれば、右側の下腹にかけて痛みの症状がでます。日本人の場合、憩室がある人で約2.5%程度にこの憩室炎の症状が認められています。その中で憩室から出血するケースは約4%弱です。

大腸憩室になった場合の対処

何も症状がない場合には経過観察することになりますが、痛みを伴うなどの憩室炎を起こしている場合、腸が狭くなったり、癒着や穿孔、腹膜炎を起こす場合もありますので注意しましょう。もしも出血などがある場合には、内視鏡治療や血管塞栓術などの処置が必要な場合もあります。また、このような症状が繰り返し現れる場合やひどい症状が見られる場合には外科手術が必要な場合もあります。

検診などで実施される検便で血液が混ざっていたり、腹痛があると言う場合は大腸憩室の有無を確認するなど、気になる症状がある場合には医療機関を早めに受診するようにしましょう。

大腸憩室を防ぐために

日頃から生活習慣、とくに食生活を規則正しく行うようにしましょう。食事内容も、動物性たんぱく質や脂肪の多い食事よりも食物繊維を多く摂るようにすることが大切です。暴飲暴食、過労、ストレスに気を付けるようにすること、そして便秘をしないようにすることが大切です。