妊娠という喜ばしい出来事から数週間後、内診で赤ちゃんの心拍がなくなっている事を
「初期流産」と言います。この時に、多くのママは自分自身を責めるでしょう。しかし、流産の原因はママではない場合が多いので、決して自分を責めないでくださいね。
それでは、流産の原因や、手術内容などについてみていきましょう。
妊娠22週未満で、お腹の中で赤ちゃんの心拍がなくなっており、赤ちゃんが亡くなったまま、子宮の中に留まっている状態を稽留流産と言います。
流産の中でも最も多いのが、妊娠12週目未満で流産するケースが多く、全体の80%を占めています。
稽留流産は出血や、腹痛などの自覚症状がなく、本人も気づきにくいのが特徴です。
ですから、流産に気が付かずに、妊婦検診時に超音波検査を受けて、初めて気がつくケースも多いのです。
稽留流産の原因で一番多いのが、先天的なもので染色体異常により、着床や細胞分裂の段階で成長が止まり、赤ちゃんが育たなくなるのです。
また、母体の子宮組織の代謝異常によって赤ちゃんが育ちにくい環境になる事も挙げられます。
稽留流産と判断されたら、手術が必要になります。子宮内の赤ちゃんを取り出す為の、「子宮内容除去術」という手術が行われます。
そのまま、出てくるのを待つ場合もありますが、そのまま放置し、進行流産になる場合もある為、一般的には稽留流産と診断されたら、1週間以内に医師がどちらかの判断を下します。
手術は局部または、全身麻酔を行い、子宮口を広げる薬をいれます。この時に痛みがある人と、ない人がいるようです。消毒液をかけてから、除去手術を行い、時間にして、10分程度で終わります。術後には、数時間生理痛のような鈍痛がある人が多いです。術後2~3日は安静をしておかなくてはいけません。
費用は保険適用になり、2万円~10万円程度かかります。
稽留流産の中に、自然流産というのがあり、これは先にも述べたように、子宮内の胎児が自然に排出されるのを待つことです。
メリットは、手術による、子宮内膜の損傷や、事故を防ぐ事ができ、母体の回復が早い点、次の妊娠機会を早く解禁できるなどがあります。
しかし、いつ排出されるわからない不安、相当な痛み、出血、などのデメリットもあります。
また、受け入れる病院も探さなくてはいけませんし、完全に子宮内容物が排出できていないと手術をしなくてはいけなくなります。
更に子宮内に感染症を起こすと、最悪のケースでは子宮を摘出しなくてはいけなくなります。
流産の原因や、手術方法、痛みの有無などについて説明をしました。手術をした場合、体にかかる負担も大きく、術後はしっかりと安静をとる事が必要になります。
また、流産は精神的にもとてもショックが大きく、流産をきっかけに鬱や、自律神経失調症になる人もいます。
このような時には周りの精神的支えがとても大切になってきます。ぜひ、流産はママだけで乗り越える問題ではなく、家族全員の問題として考えていくようにしましょう。