日本は国民皆保険制度により原則すべての国民が何らかの公的医療保険に加入する事になっています。公的医療保険は大きくわけて健康保険、共済保険、国民健康保険、75歳以上の高齢者が加入する後期高齢者医療制度があります。
健康保険は主に民間の企業に勤めているサラリーマンとその扶養家族が加入するもので大企業が単独または複数の会社と共同で設立した健康保険組合が運営する健康保険と、中小企業の従業員の為に全国保険協会が運営する協会けんぽがあります。
共済保険は公務員等とその扶養家族が加入でき国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員等共済組合があります。
国民健康保険は上記健康保険や共済組合に加入していない人、自営業者、学生、無職、パート、アルバイトなどの人が加入します。
後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者が加入します。
健康保険で最も基本となるのが病気や怪我をした時に病院で支払う医療費の負担です。
私たちが病院の窓口で支払う医療費の自己負担割合はどの保険に加入していても同じで下記のように決められています。
・小学校入学前 2割
・小学校入学~70歳未満 3割
・70歳以上75歳未満 2割(ただし現役並みの所得者は3割)
・75歳以上 1割
その他にも健康保険には様々な給付があります。例えば入院時の食事療養費や、出産をした場合の一時金、月の医療費が高額になった場合の払い戻しがされる高額療養費制度、病気や怪我で一定期間仕事を休んだ場合傷病手当金、被保険者が死亡した場合の埋葬料などがあります。
このように私たちの医療を支えてくれている医療保険ですがその現状は年々厳しいものになっています。その背景には少子高齢化の進行や、医療技術の進歩による医療費の増大、生活習慣病患者の増加などによって医療費が増加している問題があります。
また日本は国際的にみても入院患者の在院日数が長く、人口当たりの病床数も多いと言った特徴があります。
これらを受けここ数年の決算の計上収支では全体の7割程度の組合が赤字を計上しており赤字総額は2千億円を超えています。
日本は先進国の中でも医療や福祉の面で非常に充実していると言われていますが、一方で健康保険の抱える問題は年々深刻なものになっています。
健康保険組合では積立金を崩したり保険料を上げたりという対策を行っていますがすでに限界に達しており今後の健康保険制度の存続に関わる深刻な問題になっています。
このような問題への対策として私達一人一人が日々の生活で運動を心がけたり、バランスの取れた食事をし健康な体を維持する事がとても大切になります。