日本で急性心筋梗塞を発症する人は年間約10万人と言われており、その中で3~4万人が亡くなっています。心筋梗塞の代表的な症状は、胸に痛みや締めつけ、重苦しいといった症状が見られます。
心筋梗塞になると心臓の冠動脈が狭窄や閉塞を起こすことで心臓に送りこまれる血液の流れが低下し、心筋が虚血状態になることで壊死状態になります。
その原因として、動脈硬化、高血圧、高脂血症、糖尿病、通風、川崎病などがあげられますが、他にも喫煙や肥満、ストレスが影響するとも考えられています。
狭心症は冠動脈に狭窄があるけれど心筋に壊死がない状態のことです。この狭心症が悪化すると心筋梗塞に進行しますので心筋梗塞の前兆症状と言えるでしょう。しかし心筋梗塞の約半分はこのような前駆症状がないまま心筋梗塞を発症しています。
突然胸に激痛が起こることが一般的ですが、その前兆として脂汗、冷や汗、吐き気、食欲不振、呼吸困難、息切れ、胃痛や胃の不快感、ゲップ、鼻やのどの詰まり、肩から背中にかける痛み、歯や顎の痛み、ひどい首や肩のこりなどを訴える人もいます。このような症状が出た場合には心筋梗塞の前兆の場合がありますので注意が必要です。
心筋梗塞の治療はまず塞がっている血管の血栓を溶かし、細い管を入れてスチール製の筒状の金網を設置してまた血管が塞がってしまわないようにします。入院直後に手術を行い、集中治療室に1~2週間程度入院します。その後、一般病棟で療養して退院するという流れになります。ただし手術を行うことなく集中治療室で入院することもなければ1週間程度で退院する場合もあります。逆に急性心筋梗塞が重篤な場合、1年経っても意識が回復しないという場合もあり、症状や状態によって様々です。発症してから適切な処理をどのくらいの時間内に受けることができたかによって入院する期間に違いが出ます。
心筋梗塞になった場合の平均入院期間は1か月程度です。仮に月をまたいで20日間入院した場合にかかる3割自己負担分は、検査内容や病院などによって違いますが目安として、入院費用・治療・検査などが約17万、食費・差額ベッド代・雑費などが約14万円、合計で約31万円必要です。入院が長期化するケースがあるため、万が一の入院への備えはしっかりとしておく必要があります。
心筋梗塞は心臓へ流れる血液の血管が詰まってしまい、心臓に上手く血液が運ばれなくなることが原因で起こる病気です。そのような状況にならないように、日頃からバランスの取れた食事を心掛け、低脂肪で高繊維の和食中心の食事を基本とするようにしましょう。