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がん保険と先進医療について!陽子線治療とそれにかかる費用

2017.09.27
分類:ガン保険

先進医療とは、大学病院などで研究・開発された先進医療技術のうち、安全性と治療効果が確認されたものを言います。また将来的に保険診療へ導入を評価されるものとして、厚生労働大臣が認めた医療技術のことです。
先進医療の一種、陽子線治療とそれにかかる費用等を見てみましょう。

 

【陽子線治療とは】


陽子線治療とは、どのような治療を言うのでしょうか?悪性腫瘍、悪性新生物を含むがんの分類では、肺がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、大腸がん、直腸がん、乳がん、子宮頸がん、前立腺がん、脳腫瘍、頭蓋部のがん、すい臓がん、泌尿器のがん、生殖器のがん、骨、筋肉、軟部組織のがん、進行がん、転移がんなどが対象です。
放射線の一種である粒子線を病巣に照射することで、悪性腫瘍を治療します。X線は病巣の周辺の健康な細胞にもダメージを与えてしまいますが、陽子線治療は、病巣をピンポイントで狙い打ちして治療ができるため、健康な細胞への影響が少なくなるというメリットがあります。

 

【陽子線治療にかかる費用と在院日数】


陽子線治療は、先進医療の1つとなるため公的医療保険の対象外となります。また、民間の医療保険でも対象にはならず、先進医療保険などに加入していない場合は、全て実費になりますので注意しましょう。
平均的な技術料は、268万円と高額で、平均在院日数は13日となっています。また、先進医療は、様々な設備や技術が必要となるため、実施している医療機関も全国的に少なく限られています。

 

【陽子線治療の条件】


陽子線治療は、体への負担が少ないため、高齢者や体力に自身のない人などにも有効で、がん治療の1つの選択肢となります。
しかし、すべての疾病に有効な治療法ではなく、適応となる病態は以下の条件を満たす必要があります。
加えて、陽子線治療の適応の判断は医療機関を受診して、今までのデータや診察などから総合的に判断されます。
・臓器への転移がなく、病巣が限局している状態であること
・対象の部位が、放射線治療を受けていないこと
・30分間同じ姿勢で動かずに寝ていられること
・患者が自分の病気についての告知を受けており、放射線治療を受ける意思を持っていること
陽子線治療は、体への負担が少ない、病巣にピンポイントで治療ができる、などのメリットがある一方、治療費が保険の対象にならず高額になることなどがあります。
がんになった場合に、先進医療を受けたいと考えている人は、先進医療保険に加入しておくと万が一の場合も安心です。