2012年4月27日に国税庁から「法人向けがん保険」の取り扱いに関する税制改正が発表されました。これによると、今まで法人向けがん保険の保険料は全額損金されていましたが、税制改正がされて以降は保険料の2分の1が損金算入されることになりました。
法人向けがん保険を選ぶポイントや変更点をみてみましょう。
法人向けがん保険は、税制改正される前は、保険料を全額損金できるため経営者の間で「節税商品」と呼ばれていました。
法人向けがん保険は、事業主や社員が、がんになった場合の治療費や福利厚生を目的とするものでしたが、条件を満たせば保険料が全額損金できるため税負担の軽減として活用されてきました。
しかし、平成24年税制改正がされ2分の1が損金されるようになり、以前ほど大きな節税の効果を得ることはできなくなりました。
国税庁のホームページによると、法人がん保険の税制改正は平成24年(2012年)4月27日以降の契約にかかるがん保険の保険料について適用される、と記載がされています。
このため、2分の1が損金扱いになるのは、平成24年4月27日以降の新規契約からという事になるため、それ以前に契約されたものについては全額損金されることになります。
全額損金から、2分の1が損金されることになった法人向けがん保険は、従来よりも税負担の軽減効果が少なくなりました。そのため、同じ2分の1が損金される法人保険でも返戻率の高い保険へと切り替える経営者も少なくありません。
これらを踏まえ、今後の法人保険の契約を検討する必要があるでしょう。
法人向けがん保険は、損金できる割合も全額から半分へと減りましたが加入するメリットはあるのでしょうか?
個人向けがん保険に比べ法人向けがん保険は、保障が手厚く、保険料総額の80~90%の解約返戻金を受け取れ、これを経営者の退職金とする企業も多くあります。
これ以外にも法人向けがん保険は、がんと診断されて早い段階で給付金を受け取ることができるため、代表者がいない場合の売上の減少などリスクヘッジに有効活用でき、事業保障の目的として多くの経営者が利用しています。
以前よりも税負担の軽減メリットは少なくなりましたが、解約した場合の返戻金が高い、がんと診断された場合すぐに給付金が出ることから事業保障の目的として活用したりする経営者も多いのです。
法人がん保険の有用性については様々な意見がありますが、自社にあった方法で保険を活用していく事が大切です。