がんは近年2人に1人がなる病気と言われ、がん保険に加入する人は増加傾向にあります。しかし、おりると思っていた保険金が支払われない、というトラブルも続出しており、被保険者はがん保険に加入する前には注意が必要です。
保険金が支払われないケースや被保険者が気を付けることなど見てみましょう。
国民生活センターに寄せられた医療保険に関するトラブルは、1千件以上に上っておりその多くは、保険に加入する際の説明不足から起こっています。このように多くのトラブルがある保険ですが、下記のような場合は、がん保険から保険金が支払われませんので気を付けましょう。
・保険金対象外のがんになった場合
上皮がん(初期がん)では一般的にがん保険は支払われない、または一部しか支払われませんので気を付けましょう。
・がん保険にある保険の待期期間を知らなかった
がん保険は、通常の医療保険とは異なり保険の待期期間というものがあります。がん保険では、保険の加入をして第1回目の保険料が払い込みをされて90日間(待機期間)が経過した日を「責任開始日」と言います。責任開始日よりも以前にがんになっても保険金はおりません。
・入院を伴わない場合
がんの治療を目的とした入院のみに対応しているがん保険もあります。このような支払条件になっているがん保険ではがんの通院治療は対象になりません。
・告知義務違反をした場合
がん保険に限らず、多くの保険では加入前に病歴、既往症などの健康状態を保険会社に申告することが義務付けられています。もし、この時に申告漏れをして後に見つかった場合は契約を解除され、今まで支払った保険料も戻ってきません。特に加入後2年以内に保険金の請求をする場合は保険会社の調査が入り、そこで被保険者の健康状態、入通院履歴などを調べますので、告知の際は嘘のないように正直に記入しましょう。
がん保険は、多くの人が将来のがんへの不安から加入しますが、上記のようなケースがあることを知っておきましょう。
また、2人に1人という言葉にも惑わされてはいけません。がん疾患リスクを年代別に見てみると、50歳男性が10年後にがんになる確率はわずか5%、60歳男性が10年後にがんになる確率をみても15%に過ぎません。これらから考えられることは現役世代でがんになる確率は10%程度とほとんどないことがわかります。
万が一がんになった場合でも、上記のようなケースでは保険金は支払われません。これらを考えると、支払い条件の厳しいがん保険で備えるよりもある程度の貯金をしておいた方が堅実ではないでしょうか。