がんの新薬オプジーボ について
【はじめに】
京都大学の本庶佑(ほんじょ・たすく)教授がノーベル医学・生理学賞受賞したことで話題となっている新薬「オプジーボ」。主に、がん治療に効果が期待されています。
免疫に働きかけてがん細胞を消すので、従来の抗がん剤と比べて体への負担が少なく、治療困難ながんにも効果が認められています。
しかし、薬価が高額であることなどが問題視され、公的保険で適用される範囲も限られています。
今回は、オプジーボの価格とがん保険についてまとめます。
【オプジーボとがん保険】
1.オプジーボの価格
小野薬品工業の「オプジーボ」の製造販売が日本で承認された2014年当初の価格は、1瓶100mg入りで70万円程度でした。
発売当初は、治療が困難な悪性黒色腫という皮膚がんの治療薬として使われていました。しかし、その後肺がんなどにも保険が適用されるようになり、この薬の需要が大幅に増加しました。
保険が適用されるのは悪性黒色腫(皮膚がんの一種)や肺がん、切除不可能な胃がんなどの限られた種類のがんだけですが、国民の高齢化に伴いこの薬を必要としている人は増加しています。
1瓶70万、年間数百万~数千万単位の薬を使う患者が増え続ければ国の保険ではまかなえなくなる恐れがあるので、2017年2月と2018年4月に価格改定が行われ、27万円まで価格が下げられました。
そして今年の11月には1瓶100mgで17万円まで値下げされることになりました。
また、今回は価格改定だけではなく投与のルールも変更されます。
これまでは体重1kgあたり3mgの投与でしたが、新しい規定では体重に関係なく1回につき240mgを投与することになります。
そのため、体重が重い人はこれまでより負担が少なくなり、軽い人は多くなってしまいます。
2.薬代をがん保険でまかなうには
100mgあたり17万円まで価格が下がったとはいっても、保険適用外のがんでオプジーボを使用するには、1回の投与だけで40万円前後の治療費が必要となります。(1回あたり240mg)
これを2週間に1度投与することになります。
例えば、240mg40万円の薬を1カ月に2回、3カ月間投与すると240万円かかります。
どれくらいの期間、投与を続けるのかはがんの種類や医師の判断により変わってきます。
新薬や新しい治療にかかる費用をカバーするためにがん保険に入るなら、診断給付金、入院給付金や手術給付金などの保険金が合計200万円以上受け取れるものに加入したほうが良いでしょう。
【まとめ】
今回はオプジーボの価格とがん保険についてまとめました。
がんにかかった時、オプジーボなどの最先端の治療を受けたいなら、条件のいい保険に加入したほうが良いでしょう。しかし、条件の良い保険は月々の保険料も高いので、今の経済状況との兼ね合いを見ながら選ぶようにしましょう。
保険に入るだけではなく、がんにかかりにくい生活を心がけるのも「備え」と言えるのではないでしょうか。