乳がんでリンパ節に転移するのはさほど珍しい事ではありません。というのも乳癌はもともとリンパ節に転移しやすいがんと言われているからです。しかし転移した場合に生存率がどれくらいなのかはとても気になるところです。乳がんがリンパ節に転移した場合に現れる症状と5年生存率についてみていきましょう。
乳がんは乳房近くにあるリンパ節であるわきの下のリンパ節や胸の前方中央を縦に構成される胸骨のそばのリンパ節、鎖骨の上のリンパ節に転移しやすいと言われています。転移したらわきの下などにしこりができたり、リンパ液の血流がせき止められる為腕がむくんだり腕に向かっている神経が圧迫される為腕がしびれたりします。
転移した場所によってその症状は様々ですが領域リンパ節以外が腫れている場合は遠隔リンパ節転移といい腰、背中、肩の痛みなどがあり持続する場合は骨転移が疑われます。また高カルシウム血症などの障害が出る事もあります。負担がかかる部分に転移した場合は骨折を起こす危険があり、肺転移の場合は咳がでたり、息苦しくなったりします。さらに症状が進むと胸水が溜まってしまう可能性が高くなります。肝臓への転移は食欲が減ったり、黄疸がでたり痛みを伴う事もあります。
乳がんのステージ別に1~4に分けて5年生存率はどれくらいになるかみていきましょう。
(ステージ1)
しこりの大きさは2センチ以内でリンパ節への転移はまだみられません。5年生存率は95%です。
(ステージ2)
しこりの大きさが2~5センチでリンパ節に転移している可能性があります。5年生存率は92%です。
(ステージ3)
しこりの大きさが5センチ以上になってリンパ節への転移がみられます。5年生存率は67%になります。
(ステージ4)
他の臓器への遠隔転移の可能性があります。5年生存率は半分よりも下がり32%になります。
がんは転移した場所によって治療法が異なりますが乳がんに関しては転移をしても乳がんの治療が用いられます。また乳がんが転移しやすい場所はリンパ節、脳、骨、皮膚、内臓であり、内臓では特に肝臓と肺に転移しやすいと言われています。しかし上記のようにリンパ節への転移がみつかっても5年生存率は案外高い事がわかります。乳がんは早期発見をして早い段階で適切な治療を行う事ができれば完治する事は十分に可能なのです。