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税制改正によって介護医療保険控除の対象が増加!その計算方法

2017.05.18
分類:介護保障

平成22年の税制改正によって、生命保険と個人年金保険の控除が改正され、新たに介護医療保険控除が新設されました。
新制度の適用は、平成24年1月1日以降の保険からですが、それよりも以前のものは「旧制度」となり保険料控除の計算が少し複雑になりました。
新設された介護保険料控除について、内容とその計算方法を見てみましょう。

 

【介護医療保険控除】


このように改正後には、介護医療保険控除が新設されて、所得税は最高で4万円、個人住民税は最高で2.8万円を差し引く事ができるようになりました。
生命保険料控除、個人年金保険料控除と併せて、所得税で最高12万円の控除ができます。
改正後の新制度では、生命保険料控除額を下げる代わりに介護医療保険控除を新設し控除対象となる保険の種類を増やす事で範囲が拡大されました。

 

【生命保険料控除額の計算】


保険料の控除について、わかりやすく考える為に改正前の保険と、改正後の保険で控除額がどのように変わるのか見てみましょう。

・改正前の生命保険料控除
死亡保険  年間保険料10万円
医療保険 年間保険料6万円
一般生命保険料控除 所得税5万円、個人住民税35,000円
個人年金保険 年間保険料 10万円
個人年金保険料控除 所得税5万円、個人住民税35,000円
合計  所得税10万円、個人住民税7万円

・改正後の生命保険料控除
死亡保険  年間保険料10万円
一般生命保険料控除 所得税4万円、個人住民税28,000円
医療保険 年間保険料6万円
介護医療保険料控除 所得税35,000円、個人住民税28,000円
個人年金保険 年間保険料 10万円
個人年金保険料控除 所得税4万円、個人住民税28,000円
合計  所得税11万5千円、個人住民税7万円
上記は一例ですが、医療保険が介護医療保険料控除に含まれる事で、合計の所得税控除額が改正前よりも増えました。

 

【注意点】


このように生命保険料控除の範囲が拡大したため、今まで確定申告や年末調整で生命保険料の控除をしていなかった保険についても、対象になる場合があります。また、新たにガン保険などに加入した人や、平成24年以降保険の見直しや更新をした人なども対象となる場合があり注意が必要です。
見直しや更新をする際には、単純に保険料の安さだけで考えるのではなく、生命保険の控除額などを見て総合的に判断する事が望ましいでしょう。

 

【まとめ】


今回新たに新設された介護医療保険料控除について、一般生命保険料控除の範囲が拡大されて保険料控除額が増加する人もいると思います。対象の保険に加入している人には、保険会社から毎年秋頃に「保険料控除証明書」が送付されますので、それを年末調整や確定申告まで大切に保管しておき忘れずに控除をしましょう。