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介護保険の自己負担が2割に増える?それぞれの介護への備え

2017.05.15
分類:介護保障

日本は高齢化社会が急速に進み、介護における問題は多様化しており、とても深刻になっています。
このような背景を受け、2015年8月、一定以上の所得のある高齢者に対し、介護保険サービスを利用した時の自己負担割合が1割から2割に引き上げられる事になりました。
介護保険制度の自己負担と、今後私達が考えておくべき備えについて見ていきましょう。

 

【介護保険制度の自己負担】


介護保険サービスを利用する場合、利用者の所得に応じた負担割合になるように工夫されています。
今まで一律1割負担でしたが、今回の改正によって一定の所得以上の人は今まで支払っていた利用料が2倍になるわけですが、無制限に負担が増えるわけではありません。
高額介護サービス費という制度というものがあり、その月の(月初~月末)利用者負担が一定額を超えた場合、超過分に対して払い戻しがされます。
しかし介護保険サービスでは、要介護者が自宅に手すりを付けたり、段差をなくすなどの住宅改修を行った場合や、福祉用具を購入した場合支払額の9割が支給されますが、高額介護サービス費にはこれらの金額について対象外になるものもあるため注意が必要です。

 

【介護保険料の年収ライン】


厚生労働省は、今年の2月7日「地域包括ケアシステムの強化の為の介護保険法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しました。
併せて、自己負担割合を決める年収ラインについて詳細を公表しました。今後3割に引き上げられる層や、1割、2割の層について詳しく見ていきましょう。

・3割負担になる人
合計所得が220万円以上であり、
年金収入+その他の合計340万円以上の単身世帯
年金収入+その他の合計463万円以上の夫婦世帯

・2割負担になる人
合計所得が160万円以上であり、
年金収入+その他の合計280万円以上の単身世帯
年金収入+その他の合計346万円以上の夫婦世帯
・1割負担になる人
上記以外の人
となっています。

 

【私達がすべき備え】


家族や身近な人に介護が必要になった時、介護をする側には大きな「経済的」「精神的」「肉体的」負担がかかります。これらの負担をすべて無くす事はできませんが、早目に準備をしておくことで、減らす事はできます。
介護に対して、私達が各自行っておく備えは、下記のようなものが挙げられます。
・介護が必要になった時に、相談すべき人、行政機関、民間機関などを知っておく事
・経済的な負担を少しでも減らす為に、民間の介護保険を検討したり、介護施設への入所を視野に入れた資金作りなども必要になってくるでしょう。

 

【まとめ】


介護にかかるお金や、精神的不安などは計り知れません。若いうちから、事前に準備しておくことで、必要以上に介護費用がかかっても慌てずに済みます。
早めにゆとりある資金作りと、備えをしておくことで自分自身だけでなく、周りの家族の負担も軽減されるのです。