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来年度に向けた介護保険制度の改正!見直される点と注意点

2017.06.20
分類:介護保障

3年に一度見直される介護保険制度ですが、次の見直しが2018年度になります。来年の見直しに向けた議論が介護保険部会でも本格的になっています。
議論の中心になっているのが、膨らみ続ける社会保障費用をいかに抑えていくか、高齢者の医療費についても見直しが検討されています。見直される点や、注意点などを詳しく見ていきましょう。

 

【介護保険の見直し】


介護保険で見直しが検討されている点は下記のような事項になります。

・要介護1.2のような軽度者に対するサービスの縮小、
生活援助、福祉用具貸与、段差の解消、手すりの設置などの住宅改修費の対象外にするなど
・自己負担2割の対象になるものを拡大する
・保険料支払い開始年齢の引き下げ
・高額介護サービス費に自己負担額引き上げ
(利用金額の負担が一定金額を超えた場合、上限を超えた部分について払い戻しがされる制度)

等が検討されています。
また、介護保険制度だけではなく、医療保険についても以下の項目で検討がされています。

・75歳以上の医療保険の窓口の自己負担を1割から2割にする

 

【見直しの際の注意点】


サービスの縮小については、慎重に検討すべきである、との声も多数上がっています。
例えば、軽度者への介護サービスの縮小について「軽度者への生活援助等が介護の重度化の進行を和らげ、予防に役立っているのなら、それは結果的に介護費用の全体的な縮小に繋がる」という意見もあります。
また、福祉用具の貸与を縮小することについても、転倒のリスクが高まり要介護者の増加に繋がる、代わりに訪問介護が利用されるようになり意味がないなどの声もあります。
更に認知症患者は、周りから気づかれにくく要介護申請の時にも低く判定されることが多くあります。
その為、正確な判定がされずにそのまま放置されるリスクがあります。認知症患者でありながら、軽度の要介護と認定されれば適切な介護を受けられなくなるリスクもあります。

 

【まとめ】


2018年度の介護保険の見直し点については、賛否両論がありますがそれによって本来の介護保険の目的が損なわれないように、慎重に進めていってほしいと思います。
特に大きな影響を受ける軽度要介護者については、生活を支えるサービスが無くなる可能性が浮上しています。これらの介護者を地域でどのように支えていくのか、介護保険の収益が減っているという現状をどのように改善していくのかが大きな問題となります。