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介護保険の単価は地域によって異なる?介護保険の地域区分とは?

2017.12.13
分類:介護保障

高齢になって介護を必要とする場合、利用するのが介護保険制度です。介護保険のサービス利用料は、金額ではなく単位で表され、1単位10円が基本となっています。
しかし、住んでいる地域によって介護職の賃金なども異なることを考慮し、8つの地域区分があり、それに基づき加算されることになっています。介護保険制度の地域区分や、単価についてみてみましょう。

 

【介護保険の地域区分】


介護保険の地域区分とは、地域の人件費に応じた報酬単価の調整のことを言います。
地域によって報酬単価が異なることや、物価の差などを考慮して、介護保険制度には8つの地域区分がされています。地域区分は1級地~8級地までがあり、最も金額が高いのが1級地、低いのが8級地となっています。
地域区分による介護報酬の算定は下記のような計算式になっています。
利用したサービスの単位×サービスごと、地域ごとに設定された1単位の単価=事業所に支払われるサービス費となっています。

 

【介護保険にある地域区分の決め方】


介護保険制度にはこのように、地域区分というものがあります。実際にどのような事をもとに、地域区分は決められるのでしょうか?

(人件費割合)
人件費割合は、介護保険サービスごとに人件費が異なるため人件費の差を介護保険に反映させるために設けられたものです。人件費割合は、それぞれのサービスによって人件費割合45%、人件費割合55%、人件費割合70%の3つに分類されています。

(上乗せ割合)
介護保険制度では、地域ごとに上乗せ割合が異なります。例えば人件費の高い東京23区などでは、他の地域と同じ割合では経営が難しくなってしまいます。対して、人件費の低い地域では、東京都などに比べ人件費の上乗せ割合は低く設定されています。

 

【介護保険地域区分の課題】


介護保険制度の地域区分の上乗せ割合については、今まで幾度となく再編がされてきました。今後の課題としては、各事業所によって加算される割合が異なり、同じサービス事業所においても収入に差が出てしまうことがあります。
介護サービスごとに人件費割合の3つの分類について、現状に合っているかどうかの判断が必要となるでしょう。
介護保険制度の地域区分には、さまざまな細かい分類がされています。少子高齢化が加速する日本では今後人件費や、地域差などさまざまな課題が出てくることになるでしょう。今後は、これらの課題を一つずつクリアしていき、公平な介護制度の確立が求められるでしょう。