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第三者行為により介護保険サービスを利用する場合の注意点!

2018.03.09
分類:介護保障

介護保険サービスを利用する場合、一般的には利用者がサービス費の1割または2割を負担し、残りは介護保険の保険給付から支払います。
しかし、交通事故等の第三者による行為が原因で要介護状態になったり、要介護度が重度化した場合はその負担を加害者である第三者が負担することになっています。
交通事故はいつ、誰の身に起こるかわかりません。
第三者行為による介護保険の利用について詳しくみてみましょう。

 

【第三者行為求償】


第三者の行為が原因で、被保険者が介護保険給付を使った場合、介護保険法第21条第1項の規定により保険給付額を限度として被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を自治体が取得し、加害者に対して損害賠償請求をします。
これを第三者行為求償と言います。
ただし交通事故と、介護給付の因果関係が確認できない場合は、求償できないケースもありますので覚えておきましょう。

 

【交通事故により介護保険サービスを利用する場合】


上記のように、被保険者が利用した介護保険サービス費の保険給付相当額のうち第三者による行為が原因によるものは、介護保険で一時的に立て替え、後に加害者に請求をすることになります。
この場合市区町村が、交通事故の詳細や、介護給付が第三者の行為によるものであるかを把握するために被害者からの被害届の提出が義務になっています。
提出書類は各自治体により多少異なりますが、一般的には下記のようなものが必要になります。
・第三者行為による被害届
・交通事故証明書
・事故発生状況報告書
・同意書(被害者)
・誓約書(加害者)
また、上記の書類をすでに医療保険等に提出をしている場合は提出書類が簡素化される場合もありますので自治体に相談してみましょう。

 

【請求の範囲と注意点】


第三者行為が原因となり、介護保険の給付が確認された場合どこまでが請求の範囲となるのでしょうか?
請求の範囲は、介護保険を利用し市町村等が実際に被保険者に負担した金額となりますが、
例えば、福祉用具の貸与、購入費、住宅の改修等の償還払い分を含んだ介護給付費が対象となります。
介護給付費が交通事故に起因しているかどうかの判断は、被保険者の事故前後の要介護認定の有無など要介護状態を確認し、さまざまな情報をもとに判断されます。

 

【まとめ】


第三者行為により、被保険者が介護状態になったり、要介護度が重度化した場合にはそれらを確認するために多くの書類の提出が必要になります。
これは、介護保険だけでなく医療保険、後期高齢者医療においても同様ですので万が一に備えしっかりと理解しておく必要があります。