経営者・従業員向け保険情報ラボManagement and Employees Information Lab

介護保険の2時間ルールとは?

2019.01.10
分類:介護保障
【はじめに】 65歳以上で要介護状態になった人や、40~64歳の特定疾病(老化が原因の病気)で要介護状態または要支援状態になった人は、介護保険で介護サービスを受けることができます。 (特定疾病とは、パーキンソン病や認知症・リウマチなど指定された16種の疾病があります)。 今回は介護サービスの中で「2時間ルール」について説明したいと思います。

【受けられるサービスの内容】

訪問介護で受けることができるサービスは主に身体介護と生活援助の2種類です。 以下に具体例を紹介します。 ◎身体介護サービス ・食事介助、入浴介助、更衣介助、体位変換、移乗介助 ◎生活援助サービス ・掃除、洗濯、食事準備、移動介助、受信手続き、その他血圧の測定・耳掃除・爪切りなど医療行為にあたらないもの

【2時間ルールとは?】

一日のうち2回以上の訪問介護を利用するとき、サービスとサービスの間の時間を2時間以上空けることが原則となっています。これを2時間ルールといいます。 2つのサービス間の時間が2時間以下の場合、この2つのサービスは1つのサービスとみなされます。サービスの回数が違うと料金に差が出てきてしまいますので、しっかり把握しましょう。 2015年度、介護報酬(サービスを提供する事業所や施設に支払われる報酬、基本算定項目や加算算定項目が決まる)が改定されました。そこで訪問介護は20分未満の身体介護を日中に何回でもできることになりました。それ以前は時間帯が早朝、夜間、深夜に限られていましたが、いつでも行うことができるようになりました。 そこで生まれたメリットを説明します。 ◎起床介助や服薬介助、ベッドや布団での床ずれを防ぐ体位変換、体調の確認を毎日決まった時間に利用することができ、利用者の生活リズムの安定につながりました。 ◎認知症をかかえる利用者は、混乱状態が続くと周辺症状(幻覚、妄想、暴言や暴力、抑うつ、徘徊など)が出てきてしまうことがあります。症状は早朝、夜間、深夜だけに起こるものではありませんが、改定後いつでも対応できるようになりました。そうすることで利用者の混乱を収めることができました。 2時間ルールにしばられない20分未満のサービスがいつでも利用できるようになったことで、介護サービスのうち20分未満のサービス割合が改定前2014年度は9%だったのに対し、改定後の2015年度は15%と大幅な伸びとなりました。

【まとめ】

介護する人、される人が出てくる家族にとって介護は負担の出てくるものです。そのため、皆が満足できる介護が行われるように介護報酬は3年ごとに改訂されます。そうやって模索し時代に合わせて変更しながら介護保険はできています。