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介護保険の自己負担額の割合と割合負担証について

2019.04.03
分類:介護保障
【はじめに】 要支援・要介護状態の認定を受けると、公的な介護サービスを受けることができますが、サービス費用には受ける側の自己負担もあります。これまでは所得に応じて1割から2割の負担割合でしたが、2018年(平成30年)8月から介護保険法が改正され、介護サービスを受けるときの自己負担が、最大3割まで引き上げられています。そこでこの記事では、介護サービスの自己負担の割合と、負担額などを記載した「介護保険割合負担証」についてご紹介して行きたいと思います。

【介護サービスを利用するときの負担割合について】

冒頭でもお伝えしていますが、要介護や要支援状態として認定を受け、介護サービスを受ける場合は、受ける側の自己負担もあり、基本的な割合はサービス料の1割(1,000円ならば100円)を支払う必要があります。負担額の決定は「介護利用者本人の所得」「世帯全体の収入」「世帯の人数」により決定します。介護保険サービスが最大3割まで引き上がった背景には、超高齢化社会の中で介護サービス提供を安定持続させることと、負担の公平を図るという点から、負担能力のある方に対して、2割から3割の自己負担額の見直しがされています。また1か月あたりの介護サービス利用料の限度額を超える場合は、これまでと変わらず超過分が全額自己負担となります。※ただし超過分が高額にならないよう、所得に応じた軽減措置が設けられています。

【負担割合が3割となる人の区分】

介護保険サービス利用負担額が3割となるのは、満65歳以上の方で、年間所得が220万円を超えた場合に対象となりますが、その場合でも世帯内の65歳以上の方の年金収入および年間所得の合計が単身者で340万円、65歳以上の方が2人以上の世帯では463万円未満だと、負担割合が2割あるいは1割となります。

【介護サービスの負担割合が減額されるケースもある】

いったん決定された介護サービス費の自己負担の割合は、その運用期間中でも変更される場合があります。以下にケースごとにご紹介します。 ・サービス利用者本人の所得や世帯全体の所得で、確定申告の修正申告があった場合 介護保険サービス利用継続の方は、運用開始日の8月まで、新規で介護保険サービス利用の方は、認定開始日までさかのぼって負担割合の変更が行われます。 ・世帯の中で転入・転出・死亡など世帯数の変更があった場合は、世帯全体の年間所得額も変わるため、世帯数変更があった翌月からの負担割合から変更されます。

【介護保険の負担割合証について】

「介護保険負担割合証」は、2018年(平成30年)8月の介護保険サービスの3割負担追加にともなって、介護保険サービスを受ける方に各市町村から交付されます。「介護保険負担割合証」には、ご本人が介護保険サービスを受けるときの自己負担額の割合が記載されており、実際に介護保険サービスを受けるときには、「介護保険被保険者証」とともに、担当のケアマネジャーや、介護サービス提供事業所に提示することになります。介護保険サービス利用については、ぜひお住いの市区町村窓口や地域包括支援センターへ問い合わせください。