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現役世代の介護保険料負担は過去最高に!保険料の推移と今後

2017.06.19
分類:介護保障

第二号被保険者の給付金は、2000年の介護保険制度がスタートした時に比べ過去最高になる見通しです。また、要介護認定者数、75歳以上の高齢者数が増加し第一号被保険者の保険料も増加しています。介護保険の仕組みをおさらいし、介護保険料の推移と今後について見てみましょう。

 

【介護保険の仕組み】


介護保険制度は、2000年に始まった国の政策で40歳以上の人は皆、介護保険料を支払うことになっています。
被保険者は、40歳から64歳までの現役世代である第二号被保険者と、65歳以上の第一号被保険者から構成されています。
財源は、国庫負担金、都道府県の財源などの公費から半分、保険料から半分で成り立っています。保険料の内訳をみると、第一号被保険者は全体に22%、第二号被保険者は全体の28%となっています。

 

【月額介護保険料の推移】


月額保険料の推移を見てみましょう。2000年~2002年の第一期では、月額保険料は2,911円でしたが、その後上昇していき2015~2017年度の第6期では5,514円となり第一期と比べると約1.9倍に推移しています。
また2020年度、2025年度の見込み額は2020年度が6,771円、2025年度が8,165円になると見込まれています。
毎年増加し続けている介護保険料、高齢者の増加、介護保険を使う条件の規定、など様々な問題があります。これから介護保険はどのようになっていくのでしょうか?

 

【これからの介護保険】


介護保険制度がスタートして、3年に一度保険料の変更がされてきました。その背景には、高齢者の増加、使われる介護サービスの量の増加などがあります。
今後も保険料は更に上がり、2025年度には今よりさらに5割程度増えて8千円を超すとも言われています。
しかし、一方で私達の年金は減っていくばかりです。多くの高齢者は保険料を年金から天引きされており、もうこれ以上の負担は厳しいとの声が多く上がっています。
厚生労働省は、保険料の引き上げを抑える為、介護保険を使える範囲を狭くする、保険の対象となるサービスを減らす、利用者の自己負担額を上げるなどの方法を検討しています。

 

【まとめ】


介護保険料は、年々上がっていき、今後も上昇していくと予想されます。しかし、要介護状態にならないまま、サービスを受けていない高齢者にとっては上がっていく保険料の負担について納得できない人も多くいるでしょう。
これらの負担を誰が担っていくのか、増え続ける保険料に対して、保険制度を今後どのように改善していくのか様々な問題があります。誰にでもやってくる老い、介護について私達は真剣に考えていく必要があります。