第三分野の保険とは~医療保険・介護保険など~
はじめに
保険には「分野」があるのをご存知でしたか?
保険業法では、保険を三つの分野に分類しています。
この記事では、そのうち第三分野の保険について紹介しますが、その前に第一分野と第二分野の保険について簡単に見ておきましょう。
第一分野と第二分野
第一分野は、別名「生命保険固有分野」とも呼ばれます。
その別名のとおり、第一分野に属するのは養老や終身といった生命保険であり、被保険者の生存や死亡に際してあらかじめ定められた金額が支払われる保険のことです。
第一分野の保険商品を販売することを認められているのは、生命保険会社だけです。
次に第二分野は、別名「損害保険固有分野」とも呼ばれます。
こちらの分野も、その名のとおり、自動車や火災などの損害保険が属するもので、事故などによって発生した損害に応じて補償がなされる保険のことです。
この分野の保険商品を販売することを認められているのは、損害保険会社だけです。
第三分野の保険って?
上で説明した第一と第二のどちらにもあてはまらないような保険、もしくはどちらにもあてはまるような保険のことを第三分野の保険といいます。
この分野に属する保険商品は、第一、第二どちらの分野に属する会社であっても、販売することが可能です。
では、第三分野の保険にはどのようなものがあてはまるのかを以下で見ていくことにしましょう。
医療保険
第三分野の代表格は医療保険です。
医療保険は加入していると、ケガや病気が原因となって入院したり、あらかじめ定められている手術を受けた場合などに給付金が支給される保険のことです。
がん保険や三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)を対象とした特定疾病保険なども医療保険のなかに含まれます。
介護保障保険
公的な介護保険制度がスタートした2000年以降、民間の保険会社からも介護保障保険が次々と販売されるようになりました。
介護保障保険に加入していると、認知症や病気の後遺症などで寝たきりになったりして介護が必要となったときに、介護年金や介護一時金が支給されます。
就業不能保険
最近、話題を集めている就業不能保険も第三分野保険にあてはまります。
就業不能保険に加入していると、ケガや病気が原因となって長期間仕事ができなくなったと認定されたときに、給付金が支給されます。
最後に
実は2001年より前は、第三分野の保険商品の販売を日本の保険会社が行うことは、事実上禁止されていました。
しかし規制緩和に伴い、2001年からは第三分野に属する保険商品の販売が自由化され、現在は日本の保険会社であっても、外資系の保険会社であっても、第三分野の保険商品を扱うことができるようになっています。