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他の保険とは何が違う? 就業不能保険の特徴

2018.06.28
分類:その他
【はじめに】 「就業不能保険」ってご存知でしょうか。 就業不能保険とは、病気や怪我で就業不能状態に陥った時に、毎月決まった金額を受け取れる保険プランです。 重篤な病気や大怪我をすると、医療費と長期に渡る療養が必要になります。また、後遺症や障害で日常生活に支障をきたす可能性が出てきます。 そうなると、医療費がかかるだけでなく、長期間働けなくなってしまうことも考えられます。 障害の程度によっては障害年金を受け取ることもできますが、障害者なら必ず受給できる訳ではないうえ、受給できたとしても働いていた頃よりは確実に収入が減ってしまうので、それまでの生活水準を維持するのは困難です。 就業不能保険は、そんな時に役立ちます。 今回は、就業不能保険の特徴をご紹介します。

【他の保険との違い】

病気や怪我で働けない状態にある時に受け取れる保険には、他にも医療保険、収入保障保険、所得補償保険などがあります。 それらと「就業不能保険」は何が違うのでしょうか。 1.医療保険 医療保険はあくまでも「入院・手術に備える保険」です。 入院や手術が必要になった時には受給できますが、需給できる期間が60日・120日に設定されているプランが多いことや、退院から180日以内で再入院した場合は保険が下りない「180日ルール」が存在することから、長期療養の備えには向かないと言えます。 2.収入保障保険 収入保障保険は、家計を支えていた人が死亡または高度障害状態になった場合に、家族に生活費を残すための保険です。 どちらかというと、死亡保険に近い性質の保険と言えます。 3.所得補償保険 所得補償保険は、就業不能保険と同じく、病気や怪我で働けなくなった場合に備える保険です。 給料と同じように保険金が支払われるところは就業不能保険と共通していますが、保険期間と保障(補償)の支払期間が異なります。 保険期間は1年~5年更新で、補償の支払い期間は1年~3年となっています。 就業不能保険と比べると、短期的な補償と言えます。

【就業不能保険の特徴】

1.受給できる金額 就業不能状態で受け取れる金額は、毎月10~50万円で、金額は年収、家族構成、ライフプランなどによって変わってきます。 2.加入可能期間と満期 働けなくなった時に備えるための保険なので、加入可能な年齢は20~60歳。また、満期は加入者本人の退職、子供の独立、住宅ローンの完済などのライフイベントを迎える人が多い50~70歳の間で設定できるプランが多いです。 3.就業不能保険が下りないケース 就業不能保険が受け取れないケースは、保険会社やプランによって変わってきますが、以下のケースでは下りないと考えられます。 ・うつ病など精神疾患を原因とした就業不能状態 ・むちうち症や一種の腰痛等、本人が症状を医師に伝えていたとしても、医学的根拠による裏付けがとなる事例が少ない病気及びケガを原因とする就業不能状態 ・自殺行為、犯罪行為、薬物依存、泥酔などを原因とする就業不能状態 ・免責期間を始めとした所定の支払対象外期間中の就業不能状態

【最後に】

今回は、就業不能保険の特徴についてまとめました。 就業不能保険は、医療保険などに比べるとできてから日が浅いため、まだ発展途上の保険と言われています。 しかし、収入の減少も含めて病気や怪我でかかる費用への備えができていない方や、緊急事態にみまわれてもなるべく家族の生活水準を落としたくない方、公的な社会保険精度の恩恵が少ない自営業の方などは、ご検討されてはいかがでしょうか。