訪問看護が医療保険で行われる優先疾患とは?
【はじめに】
日本では国民皆保険制度により、国民全員が医療保険に加入しています。
高齢になり介護保険で訪問看護のサービスを利用していると、医療保険での訪問看護のサービスは利用できません。
しかし例外的に医療保険の訪問看護サービスを優先して利用できる疾患があります。今回はそのことについて説明したいと思います。
【訪問看護とは】
まず、訪問看護の説明をしたいと思います。
訪問看護とは、看護師などのサービスを希望する人の自宅を訪問して病気・障がいに応じて看護を行うものです。(看護師のほかに理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が訪問看護を行うこともあります)
健康状態の確認、悪化の防止や病院での治療の補助を行ったり困ったことがないか相談を受けたらアドバイスをすることもあります。
基本的にどの年齢でも病気やケガ、障がいによって継続した自宅療養が必要であればサービスを受けることができますが(※注1)、「医療保険を使った訪問看護」か「介護保険を使った訪問看護」かという違いがあります。
※注1:患者(サービスを受ける人)の主治医から訪問看護指示書が発行されてから訪問看護が始まります。
【医療保険優先の訪問看護】
基本的に65歳以上の人は介護保険からの訪問看護サービスを受けますが、
・厚生労働大臣が定める疾病などの人
・特別訪問看護指示書がある人
は医療保険の訪問看護を受けることになります。
この「厚生労働大臣が定める疾病」とは以下のものになります。
1.末期の悪性腫瘍
2.多発性硬化症
3.重症筋無力症
4.スモン
5.筋萎縮性側索硬化症
6.脊髄小脳変性症
7.ハンチントン病
8.進行性筋ジストロフィー症
9.パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病{ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る})
10.多系統萎縮症(面状態黒質変性症、オリーブ矯小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
11.プリオン病
12.亜急性硬化性全脳炎
13.ライソゾーム病
14.副腎白質ジストロフィー
15.脊髄性筋萎縮症
16.球脊髄性筋萎縮症
17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎
18.後天性免疫不全症候群
19.脊髄損傷
20.人工呼吸器を使用している状態
【まとめ】
相談窓口として以下のところがあります。
・ケアマネージャー
・各自治体の介護保険や障がい福祉担当窓口
・訪問看護ステーション
訪問看護のどのようなサービスが利用可能なのか、自宅に高齢の家族がいる場合悩むことがあるかもしれません。医療保険と介護保険の違いなど気になることがあったら相談しに行きましょう。