現在国の課題にもなっている高齢化社会についての問題。今後超高齢化社会と言われる状況になり、ますます深刻化していくと予想されます。総人口中に占める65歳以上の高齢者の人口比率が増えていく状態を高齢化社会といいますが、一般的に人口の7%を超える高齢化が進展状態にあれば高齢化社会といいます。
高齢化と少子化は表裏一体と言えるため、ひとまとめにして少子高齢化と言われています。ただし齢化と少子化のそれぞれに基本となる法律があるため、それに合わせて対策をしていく必要があるでしょう。少子化が進むということは生産年齢人口が減少するということになります。これは日本の潜在成長率を低下させて経済成長にも大きな影響を与えることに繋がるでしょう。
生産年齢人口は1990年代をピークとして減少が続いており、2030年には2010年と比較すると約1,300万人が減少、2050年には同じく2010年と比較すると約3,100万人が減少すると言われています。
例えば2002年段階で認知症の高齢者は150万人程度でしたが、2025年には320万人になると予測されています。認知症の高齢者が増えれば、今よりも介護負担はより増加しますし、認知症の患者に対応できる医療や介護の施設も必要になってきます。さらに、2025年以降も認知症の高齢者の数は年々増え続けていくと予測されています。
そして高齢者世帯についても2005年には1,340万人世帯程度だったのが、2025年には1,840万世帯まで増加すると見込まれています。その中には単独で生活する高齢者も含まれており、孤独死や介護についての問題も発生していくでしょう。
今後、高齢化がますます進む社会に立ち向かっていくために、年を取ってからも誰もが何かの仕事ができる生涯現役社会であることが望ましいでしょう。生活するための資金の一部を自力で稼ぐことができれば、高齢者に年金として分配する割合は小さくても良いでしょう。
もしも現役期間が10年延びて高齢者は75歳からということになれば、65歳から74歳までは現役世代に数えることができるので2050年に高齢者と呼ばれる75歳以上の人口比率は全体の26%です。これは現在高齢者である65歳以上の人の比率とそれほど差がありません。
高齢者の人口が今と同じ水準にとどまることができれば、社会保障の負担、消費税増税なども小幅ですむでしょうし、何よりも高齢者が仕事を続けることで生きがいを見つけたりメリハリのある生活ができるというメリットがあります。
高齢化社会を見直すためには、生涯現役社会を築き高齢者と呼ばれる年代を引き上げることが望ましいでしょう。ただし誰もが仕事に就くことができる保証はまだなく、介護が必要な状態にならないとも限りません。そのために老後に向けての蓄えを今から自分で少しずつ行うことも大切です。