骨折で発熱、風邪ではない場合…原因は?
骨折や打撲をした時、発熱することがあります。それが風邪でもない場合は何が原因なのでしょうか。骨折しているのに熱があるとなかなか体もきついですよね。今回はその原因について説明したいと思います。
【骨折を治すために体ががんばっている】
骨折時の発熱には主に2種類あります。
・吸収熱
骨折すると、骨折部分から内出血が起こります。
そのとき血液は塊のようになり、「血種」というものになります。
その血種や損傷した筋肉からの浸出液、これ以上の出血を避けようと止血に働く成分が出てきます。それらのダメージを受けた組織を吸収するとき吸収熱という発熱が発生します。
骨折部分周囲の毛細血管や貪食細胞と呼ばれる組織が吸収を行います。
・治癒熱
傷ついた個所を治すとき、吸収熱の吸収以外に白血球などがほかの組織と共に活動します。高温のときに白血球はよりよく活動するため、発熱が起こります。このときに「治癒熱」が発生します。
これらの動きにより微熱程度から38度くらいまで熱が出る人もいます。
この場合は骨折を治すために体ががんばっている証拠のため問題はありません。
【骨折部分からの発熱】
骨折後まもないとき、骨折部分から吸収熱で発熱し全体的に熱が出てしまうこともあります。
骨折や打撲の際に湿布などを貼って炎症を抑えるため冷やすことが有効です。しかし冷やしすぎると、上記の損傷部分からの吸収や白血球の働きを弱めてしまうこともありますので過度に冷やしすぎは禁物です。発熱すること自体は体を治癒する活動なのでその働きを阻害しないようにしましょう。
【感染が原因の発熱に要注意】
しかし、これらの熱ではなく骨折部分がなんらかの感染で発熱していることもあるので要注意です。2日以上熱が治まることがないようであれば、病院に行きましょう。
【骨折には安静が一番】
骨折をすると痛みを感じますが、骨には痛みを感じる神経がありません。骨折部分まわりの筋肉、じん帯、腱、膜が傷ついてその痛みを感じます。
きちんと安静にせずに動くと骨折部分や周辺で炎症している部分の熱が上がってしまい、発熱することがあります。
けれども筋肉、じん帯、腱、膜などは骨が修復するためにかかる時間より早く治ります。
痛みを我慢することは大変辛いですが、じっとすることが早く痛みを抑えることになるので安静にして回復を待ちましょう。
【まとめ】
今回は骨折で発熱が起こる原因について説明しましたが、おわかりいただけたでしょうか。
吸収熱や治癒熱による自己回復の熱であれば問題はありませんので、ここは今自分の体ががんばっていると考えてがんばりましょう。早く回復していつもの日常生活に戻るためにも発熱してもあまり怖がらずに冷静に対処しましょう。