骨折治療中に飲酒はOKか?
【はじめに】
毎年、年末が近づいてくると忘年会や新年会でお酒を飲む機会が増えると思います。楽しくなってついつい飲みすぎてしまって人には言えない恥ずかしい失敗もたくさんしてきた人もいるのではないでしょうか?
恥ずかしい体験ならいつかは話のネタになるかもしれませんが、そうはいかない危険な経験をしている人もいるはずです。
どういったことが危険な経験なのか、これから話を進めていきたいと思います。
【こんな経験ありませんか?】
お酒の席で飲みすぎて羽目を外してしまうことは誰でも一度や二度くらいは経験があるでしょう。ただ危険なのが羽目を外しすぎてケガをしてしまうということです。これでは楽しい思い出も台無しになってしまいます。
特にひどいのが骨折です。
酔って足元がおぼつかなくなり転倒・骨折してしまったという経験はないですか。
経験はなくても周りにそうなってしまった人がいるかもしれません。
飲酒して酔いがさめないうちに高さのあるロフトで寝てしまい、トイレに行こうと起きたとき、ロフトからそのまま転落して足を骨折してしまうという経験をした人もいるそうです。
お酒はほどほどにということなのでしょうね。
【骨折治療中の飲酒は良くない?】
骨折を招くくらいの飲酒はよくないことは分かると思いますが、では、骨折治療中の飲酒はどうなのでしょうか?
一日一杯分、約4~8グラムのお酒を摂取している人は全く飲酒しない人や飲みすぎてしまう人より骨が丈夫になり、骨折するリスクが低くなるという研究結果も出ているそうです。
しかし骨折治療中の飲酒は適量なら問題ないのですが、やはり大量の飲酒はダメです。
骨折治療中に大量の飲酒がダメなのにはちゃんと理由があります。
大量の飲酒は骨の形成を妨げてしまいます。
骨折治療中は骨と骨とをくっつける修復作業をしている最中です。そこに大量のお酒が入ってくると骨の形成を遅らせてしまいます。
骨折している場所には骨のもとになる幹細胞が集まるのですが、幹細胞が集まるために必要なタンパク質をアルコールは減らしてしまいます。
それだけではなく、アルコールは骨の形成には欠かせないミネラルやカルシウムを利尿作用によって体の外に出してしまいます。
さらに飲酒すると骨折の痛みが増してしまう恐れもあります。
要するに、骨折治療中にお酒を飲みすぎてしまうと何一ついいことがないということです。
【まとめ】
「酒は百薬の長」と言いますが、あくまで適量の飲酒に限ります。
毎日大量に飲酒するようでは「百害あって一利なし」になってしまいます。
お酒を飲みすぎてしまうようであればその習慣を見直す必要があります。お酒にのまれるのではなくて、お酒を嗜む習慣を身につけたいものですね。