傷病手当金について~骨折などで自宅療養する場合でも使える制度~

はじめに
休みの日にサッカーをしていたら、足を骨折してしまい、入院はしなくて済んだけど、しばらく自宅で療養しなければならなくなってしまった。
「有給休暇はあまり残ってないし、欠勤扱いになったら収入が全くゼロ。どうしよう・・・」
このように業務外のケガなどで仕事を休まなくてはならなくなり、収入が入ってこなくなった場合でも、健康保険の加入者であれば傷病手当金を受けることができます。
今回は、骨折などで自宅療養するような場合でも、利用することができる保険制度の「傷病手当金」について見ていきましょう。
対象となる人
公的機関(公務員)や企業などに勤めていて健康保険に加入している人であれば、誰でも傷病手当金の対象となります。
正社員に限らず、契約社員でもアルバイトであっても、支給の条件を満たす場合には傷病手当金を受け取ることができます。
受給するための条件
受給するための条件は次の4つです。
1.業務外のケガや病気で療養していること
入院しているか否かは傷病手当金の受給に関係はありません。
骨折などのケガや、あるいはうつ病などで自宅療養しなければならないケースでも対象となります。
2.療養のため仕事ができないこと
ケガや病気のために今までやっていた仕事をすることができない状態にあることが条件となります。
「仕事をすることができない状態」であるかどうかは、主治医の意見、仕事の内容、その他諸々の条件を考慮して判断されます。
3.休んでいる期間が4日以上
仕事を休んで4日目からが傷病手当金受給の対象となりますので、仕事を4日以上連続して休むことが条件となります。
4.給与などの支払いを受けていないこと
仕事を休んでいる間、会社から給与などの報酬が支払われていないことも条件となります。
ですから、有給休暇を使用した場合などは、受給の対象とはなりません。
また、給与の一部だけが支払われている場合には、その分が減額された傷病手当金を受給することになります。
受給額と受給期間
傷病手当金の受給額(1日あたり)は「直近12ヶ月の標準報酬月額の平均」を30で割った金額に、3分の2を掛けたものとなります。
また、受給期間は最長で1年6ヶ月となっています。
最後に
仕事中や通勤途中のケガなどで、仕事をできなくなり収入が入ってこなくなっても、労災保険の適用対象となり、補償がなされます。
しかし、プライベートの時間に負ったケガなどは労災保険の対象外であり、補償はありません。
ですが、傷病手当金の制度は、こんなケースでも療養中の収入をいく分かは補償してくれます。
ですから、傷病手当金制度という制度があることを頭に入れておくとともに、就業不能保険などにも加入しておけば、さらに安心ですね。