
福祉事業の決算書は、事業を運営する上での透明性を確保することと、利害関係者に事業状況を報告するために作成します。
その上で、正しい納税額を申告し、納めなければなりません。
福祉事業は、国や自治体から補助金や交付金を受けた上で運営することが多く、特有の収入や費用の管理が求められています。
そこで、福祉事業者の決算書について、特徴や作成の流れを簡単に紹介します。
社会福祉法人やNPO法人などの福祉事業における決算書は、行政に事業報告書とともに提出します。
提出することで、非営利事業としての適正運営が確認されます。
非営利法人ではなく、営利法人が運営する福祉事業の場合、一般企業と同じく利益計算や税務申告を行います。
そのため、決算書作成は、単に数字をまとめるだけでなく、事業の健全性評価・経営改善・事業計画策定に役立てるプロセスです。
特に福祉事業では、補助金や助成金が適正に利用されているのか明確にすることが必要であることや、給与や運営費の透明性が求められるため、正確・詳細に記録を行い管理することが必要となります。
以上により、福祉事業の決算書には以下の特徴があるといえるでしょう。
・公費依存度が高い…売上の多くが国や自治体からの補助金で占めることが多いため、利用者負担分と補助金の両方を管理することが必要になる
・費用内訳が細かくなる…給与や維持費の割合が高いため、適正な運営のために細かい管理が必要になる
・非営利型と営利型に違いがある…NPOや社会福祉法人は剰余金の適正運用が重視されるのに対し、株式会社などの営利法人型の福祉事業では利益計上を行う
決算書は、以下の流れで作成します。
①日々の収支を記録する
②貸借対照表・損益計算書を作成する
③収支報告書(補助金・助成金等)を添付する
④決算書の内部を確認し理事会等で承認を得る
⑤社会福祉法人やNPO法人は事業報告書と決算書を行政に提出する。営利法人は税務申告や株主報告に利用する
日々の収支は、以下の内容を記録します。
・利用者から受け取るサービス利用料や国・自治体からの補助金
・職員給与・施設維持費・業務委託費などの支出
・仕訳帳・総勘定元帳などに基づいた取引の整理・確認
・補助金・助成金の使途
会計期間末には、貸借対照表と損益計算書の作成が必要です。
貸借対照表は、事業の資産・負債・純資産の状況を明確にすることが必要であり、損益計算書では収益と費用を集計して利益を算出します。
福祉事業では補助金や助成金の収支を明確に示すことが重要となるため、抜かりなく記載しましょう。