学校法人と病院は、設立目的や法人の種類が異なります。
まず学校法人は、私立学校の設置・運営を目的に設立される非営利法人です。
病院は、医療法人・公立病院・国立大学附属病院などの法人組織が運営しており、診療所または介護老人保健施設の開設を目的に設立されます。
そこで、学校法人と病院の関係やそれぞれの特徴、役割と違いを簡単に紹介します。
「学校法人」とは、私立学校法に基づいて私立学校の設置・運営をする公益法人です。
創設者が私財を使って、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学・高等専門学校などで高い教育を実現するために設立されます。
学校に必要な土地・建物・設備・人員などの費用は寄附とみなされることが特徴です。
株式会社は営利が目的の会社であるのに対し、学校法人は非営利法人に分わけられます。
学校法人でも収益事業は可能ではあるものの、収益は私立学校の経営に充てることが必要です。
また、事業の種類も所轄庁が定めます。
「病院」とは、20人以上の患者を入院させられる施設を有する医療機関で、地域医療支援病院や特定機能病院などの種類があります。
規模や診療科により、総合病院・精神病院・一般病院などに分かれます。
医師や歯科医師が、公衆や特定多数の方たちのために医業や歯科医業を行う場所です。
病院の役割は、傷病者が適正な診療を受けることができる便宜を付与することといえます。
診療所にはない設備の整った手術室・処置室・エックス線装置などの設備が必要とされており、医師の人数や施設要件も満たさなければ病院とは認められません。
たとえば病症20床以上は病院であるのに対し、無床または19床以下であれば診療所と分類されます。
学校法人と病院の関係として、次が挙げられます。
非営利法人である学校法人は、大学病院以外に診療所の開設も可能です。
病院は医療行為を行うことを目的とした場所のため、人命に関わる極めて公益性の高い事業を運営します。
そのため医療法人の立ち上げや運営に、営利目的の者が参入してしまうと、患者に不利益を及ぼす恐れがあります。
医療機関の運営はあくまでも非営利組織により為されなければならないといえるでしょう。
学校法人でも収益事業は可能ではあるものの、収益は私立学校の経営に充てなければならず、事業の種類も所轄庁が定めます。