地盤沈下とは、粘土層が厚く軟弱な地盤で起こる現象です。
土を掘り返す工事など行ったときに、周囲の地盤の土圧が下がり、地盤強度が弱くなって地盤が下がることがあります。
そのため地盤沈下を起こさないように、対策した上での工事が求められます。
しかし地盤が水分を多く含む場合、対策していても周囲の地盤に影響が出ることもあるといえるため、より注意が必要です。
そこで、地盤沈下とはどのような現象なのか、種類や発生した場合の被害について簡単に紹介していきます。
「地盤沈下」とは、地盤が収縮・陥没することで、相対的に沈む現象のことです。
粘土層から間隙水が絞りだされることにより、粘土層が収縮して地面が沈みます。
主に粘土層が厚めで軟弱な地盤のエリアに起こりやすい現象ですが、これは地下水を過剰に汲み上げることで、粘土層が収縮するために起こるとされています。
地盤沈下には、次の3つの種類がありメカニズムは異なります。
広域の沈下
局所の沈下
圧密沈下
それぞれ説明します。
広域で地盤が沈む原因は、地震などによる地殻の変動の場合もあれば、地下水の過剰なくみ上げの場合や、鉱物・天然ガスを採取したことによる掘削などが挙げられます。
局地的な地盤沈下の原因は、近隣で工事を行っていることなどが影響するケースもあります。
また、盛土や埋戻し土などの圧密沈下なども見られます。
一部のみ傾く不同沈下のリスクのある土地に対策をせずに建物を建てれば、数年以内に地盤沈下する可能性が高くなります。
土の掘り返し工事の際に、周囲の地盤の土圧低下で地盤強度が弱まることを踏まえた上で、十分な対策を行うことが大切です。
土を構成する土粒子・空気・水などの成分の中で、間隙水が時間とともに抜けて土が収縮することを圧密といい、それにより地盤沈下することを圧密沈下といいます。
盛り土や埋戻し土など人工的な土地では、自然に土が堆積した土地より時間が経っていないため、収縮しやすいといえるでしょう。
地盤沈下が起こると、次のような被害が発生します。
・建物の傾斜
・土地のひび割れ
・土地の凹凸
・橋げたとの段差発生
・ガスや上下水道などの地下配管の破損
・井戸の抜け上がり
・治水施設やかんがい排水施設の破損
また、間接的な被害として、排水の著しい悪化などが見られるようになり、雨が降ったときに浸水しやすくなることもあります。