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アパート建設が増え過ぎ?バブル崩壊後の経営の行方は?

2018.03.09
分類:その他

一昔前のバブル時代なんて、今では過ぎ去った話だから関係ないと思っているかもしれませんが、実はそうでもありません。
海外は金融の引き締めへ舵を切っているのに対し、日本は金融緩和でお金を市中に流通させる動きです。
バブル期よりも余ったお金の一部はアパート建設などに使われていると考えられます。


もしもバブルがはじけたら?
もし何かをきっかけにしてバブルが弾けたとしたら、家主は借金を返済するため借主を探さなくてはいけなくなります。
しかしその頃には作り過ぎたアパートやマンション物件は有り余っている状況のため、空室率も今より高く、なかなか借主が見つからない可能性も出てきます。
それならと賃料も下げ、最終的には非常手段としてフリーレント契約なども検討しなくてはならなくなるでしょう。


フリーレントによる契約で無料で住む人が急増する?
一般的なフリーレント契約は、入居時から一定期間の家賃を無料にするというものです。
しかしこのフリーレントが悪用されるようになれば、無料期間が過ぎれば退去し、また次の物件に無料で住むといったフリーレントを転々と続ける人が出てくる可能性もあります。
フリーレントはオフィス物件などで不景気の時に使われた手法でもありますが、アパートやマンション物件でも使われるケースも見られます。
現在、一般的には1か月分のみフリーレントである物件が多いですが、今後空室が増え続けることで3か月や半年、さらには1年というフリーレント期間を設ける物件が出てきてもおかしくないでしょう。


なぜアパート建設が急増している?
そもそもアパートやマンションなど建設が急増している背景には、土地を資産に持つ人の相続税対策などが挙げられます。
人口減少で入居者数もしぼんでいくことが予想される中、貸出先の確保により地方銀行の融資も過熱するなど、不動産市場はバブル前夜のような状態です。
2015年、相続税が増税となり、金融機関から融資を受けてでもアパートなど賃貸物件を建てて相続税を抑えようとする不動産投資が注目される様になりました。


金融機関が顧客獲得に攻勢をかけている状況
日銀の金融緩和策によって、世の中に流れるお金の量は増えましたが、貸出金利の低下により金融機関の収益は悪化している状況です。
そのため地銀などを中心として、万一の際に土地を担保にできる不動産融資に傾いています。
まさに採算割れするレベルでの低金利で、何とか顧客を獲得しようと攻勢をかけている状況だと言えるでしょう。
しかし着工数が急増したことで、地方では部屋を借りる人が見つからず空き家になるのではという懸念もあるため、家主が経営に行き詰まる可能性についても懸念されているようです。


不動産投資に乗り出すのなら・・・
将来の空室率や家賃変動リスクなどを十分に考慮した上で、金融機関から融資を受けて不動産投資に乗り出すことが重要です。
一部の地銀では不動産融資割合が高く、審査も甘くなっている傾向なども見られるため、オーナーとなる人自身がしっかり状況を把握し、安易に投資に乗り出さないように歯止めを利かすことも必要となるでしょう。