
福祉事業者と処方は、超高齢社会における多剤併用の是正や、医療・介護の連携、最新技術を活用した誤薬防止などを軸としたプロセスです。
利用者の健康維持と安全担保において重要な流れであり、医師による処方が介護現場でのQOLに直結する認識が強まっています。
福祉事業者と処方の関係は、受動的な服薬介助から能動的な健康管理にシフトしているといえるでしょう。
そこで、福祉現場による処方の課題について、オンライン処方の扱いや服薬介助の重要性を解説します。
福祉現場による処方の最大の課題として、必要のない薬剤の重複や、相互作用を整理する多剤併用の改善などが挙げられます。
たとえば、複数の持病を持つ高齢者が、様々な医療機関から処方を受ければ、薬の服用で眠気・ふらつき・食欲低下などの副作用があらわれる恐れもあります。
それにより、生活の質が低下すると、転倒や骨折などの事故が起こることも否定できません。
そこで、厚生労働省推進の科学的介護情報システム(LIFE)を活用すれば、利用者の日常生活動作や薬の副作用の兆候などがデータ化され、処方の最適化を促すことができます。
福祉現場では、医療と介護の連携により、オンラインによる処方も進んでいます。
施設や自宅にいる利用者に対し、医師が適切に処方を行うことが可能となりました。
また、薬剤師がWebカメラを通じて、福祉施設のスタッフや利用者に薬の効能や注意点を説明します。
単に薬を預かるだけの存在だった福祉事業者は、医師・看護師・薬剤師・ケアマネジャーのハブとしての役割を担い、身体状況を処方へ反映させられます。
福祉事業者における服薬介助は重要性を増しているといえますが、誤薬や投薬の事故を徹底防止することが求められます。
薬を服用させる服薬介助は、重大なリスク管理の項目といえます。
一包化された薬にはQRコードが印字され、スマートフォンのアプリを読み取ることで、薬の種類・利用者・服用時間などが自動で判別されます。
また、見守りセンサーと連動させることで、薬を飲むタイミングを光や音声で通知し、実際に服用したのか自動で記録されるスマートピルケースなども活用されています。
服薬管理におけるミスが大幅に軽減されるため、介護職員の心理的な負担も軽くなることが期待できます。