
建設業界の上下関係とは、元請けであるゼネコンを頂点とした重層的な指揮系統のことです。
優位な立場の者から下の者へ行う指示・命令と、下から上への服従・報告などの役割分担が明確な関係性といえます。
建設工事業における上下関係は、伝統的な文化として根強く残っており、施工管理者・現場作業員・職人などでピラミッド構造が形成されます。
従来までは、仕事を発注するゼネコンと受注するサブコンなどの下請け会社との間には、殿様と家来の関係と揶揄されるほどの明確な上下関係がありました。
しかし、現在ではこのヒエラルキー構造が変わりつつあるといえます。
そこで、建設工事業の上下関係について、重層下請構造の流れや仕組みを解説します。
ゼネコンと下請けには、上下関係が存在します。
優位な立場となるのはゼネコンで、発注者から直接工事を請け負う元請けとなります。
ゼネコンの請け負った工事の一部は、各作業を専門とする下請けの工事業者へ委託されます。
下請けとなる専門工事業者は、元請けの指示に従って工事を行います。
また、元請けから請け負った工事の一部を、次の下請けへと委託する場合もあり、元請けと下請けの上下関係をさらに複雑化させます。
ピラミッド構造と呼ばれる重層下請は、四角錘型の頂点に位置するゼネコンから、次のサブコンや専門工事業者へと広がる仕事の受発注の流れをあらわします。
ピラミッドの頂点にいるゼネコンは、国・公共団体・民間から建設工事を受注し、建設工事全体の統轄する役割を担います。
現場で工事を行うのは専門の工事業者のため、仕事を請け負ったゼネコン自体が作業を行うわけではありません。
ピラミッド構造を構築するのは、下請けが1事業者だけではないからです。
ゼネコンからサブコン、サブコンから複数の下請けへと仕事が委託されます。
一般的に、ゼネコンから仕事を受注した事業者が1次請けであり、1次請けから仕事を請け負う事業者が2次請けとなります。
2次請けの大半は設備工事ですが、建設業における重層下請構造は5次請けにまで及ぶケースも見られます。
下位層に位置するほど、個人事業主や小規模事業者が多くなり、報酬も手数料が中抜きされるため、少なくなります。
支払われる期間も、上位層の決済後の扱いであれば遅くなってしまうことが問題視されています。