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工事による振動や騒音を規制する法律とその内容とは?

2022.09.01
分類:リスク

建設工事やリフォーム工事が始まると、騒音や振動でストレスを抱える住民もいるようです。

特に最近では自宅でリモートワークをする方が増えているため、仕事している時間帯に騒音や振動が発生することに、不満を感じることも少なくないといえます。

待っていればいずれは終わると我慢していたのに、工期の延期などで工事期間が延びてしまい、限界に達した住民からクレームが入るというケースもあることでしょう。

もしもクレームを受けてしまったときのために、工事の騒音や振動の規制について紹介していきます。

騒音を規制する「騒音規制法」

騒音規制法には、第1条に次の記載があります。

「この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。」

そのため建物の建設・修繕・解体の工事を行うときに発生する騒音を、発生し放題にすることは周辺の住人の大きな迷惑になるといえ、人々の暮らしを保護する範囲にとどめることが必要です。

著しい騒音を発生してしまう機械や道具を使う現場作業においては、騒音規制法で特定建設作業とし、規制をしています。

 

特定建設作業の場合は自治体への届出が必要

特定建設作業を含む建設工事を行うときには、工事を実施する自治体に届出が必要です。

騒音により工事の周辺の生活環境を著しく損った場合、「改善勧告」や「改善命令」が出されることもあるため注意してください。

届出せずに工事を行った場合や、虚偽の記載で届出を行った場合、改善命令に従わなかったときには罰金刑が科されることもあります。

 

振動を規制する「振動規制法」と自治体の条例規制

振動を規制する法律は、「振動規制法」だけでなく地方自治体ごとに独自で定めている環境確保条例による規制などがあります。

振動規制法の要請限度を超えるときや、規制を逸脱する行為があったときには、人々の健康に被害をもたらし平穏な生活環境を阻害する行為と判断されます。

なお、規制基準の抽象的な地域、基準値の範囲などは国の公示によるものですが、具体的な地域指定や基準値の範囲のあるものは自治体がその値を定めることとなります。

 

騒音の取り決めは自治体判断

環境省で定められている騒音は85db、振動は75dbです。

騒音85デシベルという騒音量は、地下鉄内の音や掃除機の音が8085デシベルなので、それ相当の音と理解するとわかりやすいでしょう。

振動75dbは、震度3の揺れに相当し、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じるレベルです

実際、建設作業でどの程度の騒音までに抑える必要があるかは、都道府県や市町村の判断に委ねられていますので従うようにしてください。