公共工事では請負者に契約保証金を納めるように義務付けていますが、契約保証金の納付の代替え手段が履行保証制度です。
履行保証制度では、公共工事の請負者が工事を続行できなくなったときに、発注者の被る損失を保証します。
規模の大きな公共工事では、万一に備えた保証を求めることも仕方がないといえますが、履行保証制度とはどのような制度なのか、その内容や契約保証について簡単に紹介していきます。
「履行保証制度」とは、公共工事の請負者が工事を続行できなくなったとき、発注者の被る損失を保証する制度です。
金銭的な保証と役務的な保証の2種類があり、金銭的な保証には以下が挙げられます。
・契約保証金の納付
・国債などの有価証券の提供
・保証事業会社や金融機関の保証
・履行保証保険
・ 履行ボンド
対する役務的な保証には、保証人が選定する代替履行業者へ残工事を完成させることが含まれます。
履行保証制度は、契約保証金の支払いに代わって、履行保証保険を利用することも認められています。
履行保証保険は、建築工事の請負者が保険契約者となり、発注者は被保険者となる保険契約です。
請負者が債務を履行できなかった場合などは、発注者の被る損害が補償対象となります。
履行保証保険は性格上、無条件で加入できる保険ではありません。
新規加入には、決算書などの審査が必要です。
また、公共工事の落札から、保険証券の提出が必要になるまでの期間が短いことを踏まえ、入札前に内容を理解しておくことが必要といえます。
公共工事の「契約保証」とは、公共工事の請負契約を締結するときに、請負者より発注者に支払われる契約保証金の代わりとなる金銭的保証です。
請負者の責任で、請負契約が解除されたとき、債務不履行で発生する損害金相当額を請負者に代わって発注者へ弁済します。
「契約保証金」とは、公共工事の請負契約締結について、請負者から発注者へ支払われるお金です。
請負者の請負契約上の義務履行を確保する担保であり、請負者が請負契約上の義務を履行しなかったときの損害賠償を目的としています。
請負者の債務不履行の際には、国庫または当該公共団体に帰属します。
契約保証金の金額は、原則、契約金額の10%以上です。
契約変更により、契約金額が増えたときなどは、増額分を追加で納めますが、減額したときには減額もしくは返還されます。