
建設工事業と労災保険(労働者災害補償保険)の関係は、働き方改革とDX化の進展で、事故への備えから安全マネジメントへと進化しています。
建設業は、他業種よりも事故リスクが高いため、適切な運用は社会的信用に直結します。
事故後の補償だけでなく、データに基づく予防へとシフトする動きが強まっているといえるでしょう。
そこで、建設工事業と労災保険の関係について、特徴や特別加入の現状を紹介します。
建設業の労災保険の特徴として、現場ごとで保険関係が成立する一括有期事業であることが挙げられます。
原則、労災保険の保険料は、元請会社が現場で働く下請会社など、すべての労働者の分を一活負担します。
建設業界では、労働基準法で労働者に該当しない一人親方の保護に関しても、必要性が重視されています。
労災保険は、雇用される労働者を対象とするものの、建設業の一人親方に関しても労災保険特別加入制度を利用すれば、補償を受けられます。
現場の安全意識が高まっているため、特別加入していない一人親方に関しては、入場を制限する元請なども少なくありません。
雇用関係の実態があるのにもかかわらず、偽装一人親方として扱うことはできません。
適正な雇用形態と保険加入を徹底しましょう。
労災管理のデジタル化の定着も進んでおり、たとえばグリーンファイル(労務安全書類)の電子化で、現場のすべての職人の労災加入状況をクラウド上で確認できます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)との連動で、就業の履歴と保険加入状況が紐付けられます。
それにより、事故が起こったときにも、迅速に労災申請と保険金支給が行われる体制を整備できます。
また、元請と下請間の煩雑だった事務作業も、大幅に効率化されるでしょう。
時間外労働の上限規制により、労災認定の焦点は、過労やメンタルヘルスへと拡大しています。
従来までの建設業では、労災認定される事故は、主に身体的なケガでした。
しかし、現在では、厳しい工期への対応やハラスメントなどに起因する精神疾患が増えています。
心理的な負荷による精神障害認定基準などが重視されるようになり、身体的な安全性以外に、休息時間確保などの心身の健康管理が労災事故防止において必要であると考えられます。