
建設工事業における修繕トラブルとは、建物老朽化へ対応するための解決すべき最重要課題といえます。
高度経済成長期に建築された建物は、大規模修繕のピークを迎えています。
技術不備だけでなく、コミュニケーション齟齬や法的解釈の違いなどで、いろいろな紛争が起こっている状況です。
修繕トラブルの回避は、企業ブランドを維持する上での生命線であり、持続可能な事業運営実現の大きな鍵となります。
そこで、建設工事業における修繕トラブルについて、背景や課題、防止策を紹介します。
建設業界では、新築建築から修繕による維持管理への動きが加速していますが、トラブルも増えつつあります。
一戸建てのリノベーションや、ビルやマンションの大規模修繕工事などの需要が高まりつつある中で、実際には施してみないとわからない不確定要素も多いといえます。
また、現場の人手不足の深刻化により、管理者の目が届きにくくなっています。
経験の浅い作業員が増えてしまうと、施工ミスや仕様の取り違えなどの要因となり、修繕トラブルの火種になる恐れもあるため注意が必要です。
建設業界の修繕トラブルは、以下の3つに分かれます。
・施工品質…防水工事不備による雨漏り再発や、外壁塗装の剥離など
・追加費用と見積もり…事前調査では判明しなかった構造体の劣化が工事開始後に発覚するなど
・近隣トラブル…居住者からの騒音・振動・粉塵・作業員の立ち居振る舞いに対する苦情など
建設業の修繕トラブルを未然に防ぐため、以下のデジタル技術の活用が標準化されています。
ドローン・3Dスキャナ・赤外線カメラなどを使って、建物の状態を可視化すれば、見積もりの精度を高められます。
この建物診断の高度化により、追加費用の発生リスクを抑えられるでしょう。
また、施工管理アプリを使うことで、工事完成後には隠れてしまう部分の写真を、リアルタイムで工程ごとに施主と共有できます。
工事の透明性を確保することにより、完成後のクレームやトラブルを回避できるでしょう。
万一、修繕トラブルが発生したときには、建設業法や住宅品質確保法(品確法)に基づいて対応しなければなりません。
瑕疵担保責任の範囲や期間は、先の契約において詳細な合意形成が求められます。
修繕トラブルが起こった際には、訴訟や裁判に至る前の迅速な解決手段として、住宅リフォーム・紛争処理支援センターや、弁護士会や建設工事紛争審査会などの裁判外紛争解決手続などを利用することも推奨されています。