
建設工事業の特徴は、他産業と比較するとわかりやすいといえます。
特に製造業と比べると、その違いから特徴をつかみやすいといえます。
製造業は、作業を行う場所が工場内であり、標準化された製品を効率的に大量生産します。
それに対し建設業は、作業を行う場所がほぼ外であり、現場完結型の個別受注生産です。
安全管理・期間管理・関係者の多さなど、複雑なマネジメント課題を抱えている業界が建設業といえるでしょう。
そこで、建設工事業と他産業との比較について、製造業を例にその違いを簡単に解説します。
建設工事業と製造業の違いとして、主に次の4つが挙げられます。
・生産場所
・生産形態
・サプライチェーン
・労働力
建設工事業と製造業は、生産場所が異なります。
製造業の場合、管理された特定の工場で生産を行います。
対する建設工事業では、建物やインフラなどを使用する場所で生産するといえます。
現場によって、地盤や周辺環境、天候などにも違いがあるため、毎回異なる条件の下で作業を進めなければならないことが製造業との違いです。
建設工事業と製造業の違いとして、生産形態が挙げられます。
製造業では、市場の需要を見越した生産を行います。
顧客の仕様に基づいて量産する形態が主流です。
対する建設工事業は、顧客から注文を受けて、個別の設計に基づいた生産を行います。
注文毎に一点もののプロジェクトになるため、顧客との綿密な打ち合わせや設計変更への柔軟な対応なども求められます。
建設工事業と製造業は、サプライチェーンに違いがあります。
特に自動車産業などの製造業では、強固な系列関係や垂直統合されたサプライチェーンが多く、部品メーカーと連携して製造を進めます。
建設工事業の場合は、元請けであるゼネコンなどが全体を管理し、専門的な工事は複数の下請けが協力会社となって参加します。
この重層下請構造により、専門技術の持った事業者へ仕事が分散され、効率的に作業が勧められることがメリットです。
しかし、元請けと下請けの労働環境の格差や、責任の所在の不明確さを招くこと、さらに情報共有が難しいなどの課題も生み出します。
建設工事業と製造業は、労働力にも違いがあると考えられます。
製造業では、比較的、安定した常雇用の従業員が多いため、稼働に応じたシフトを組みやすいといえます。
対する建設工事業では、建設プロジェクトごとに技術者や職人を集めるため、労働力の流動性が高いと考えられるでしょう。