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医療法人社団とは?特徴や医療法人財団との違いを簡単に紹介

2025.02.25
分類:経営

医療法人社団は、日本の医療機関形態の一つといえます。

 非営利法人の一種であり、医師や医療専門家が運営することが特徴です。

 一定の目的に賛同する形で集まった団体であり、法人格を持つ組織でもあります。

 運営においては、高品質な医療サービス提供と地域社会への医療貢献を目的とされていますが、その特徴や医療法人財団との違いを簡単に紹介します。

医療法人とは

 「医療法人」とは、医療法の定めに基づいて設立する法人です。

 病院や、医師・歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人施設を開設することを目的に設立します。

  

医療法人社団とは

 「医療法人社団」とは、医師や歯科医師などの個人または団体が共同設立する医療法人です。

 非営利法人の1つとして運営されており、病院・診療所・介護老人保健施設の開設を目的としています。

医療法人には医療法人社団以外に、医療法人財団があります。

医療法人財団の場合、特定の目的に基づいて財産を提供し、設立します。

 

医療法人社団の特徴

 医療法人社団の特徴は以下のとおりです。

・非営利法人である

・医療専門家や医師が運営する

・運営リスクが低く意思決定の柔軟性が高い

・一般的な会社に似た仕組みで設立される

・設立に金銭・不動産・医療機器などの出資または拠出が必要である

・設立者は法人の所有権や運営権を保有し経営にも関与する

・社員は株式会社の株主に該当し、社員総会が最高意思決定機関となる

・理事は株式会社の取締役に該当し、医療法人の日常的な業務の運営管理者の役割を担う

・監事は業務や財産状況の監査を行う

・利益は法人内での医療事業に使われる

・出資者に残余財産の配当行為はできない

 医療法人社団は、一定の目的で集まった人の団体の法人格です。

 医療法人の99%は医療法人社団であり、出資者同士でリスク分担が可能であり、個人にかかる資金的負担を軽減できます。

 

 医療法人社団と医療法人財団の違い

 医療法人社団と医療法人財団の違いは、設立するときの基盤です。

 まず医療法人社団は人の集まりを基盤に設立します。

 一般的な株式会社と似た仕組みであり、基金を拠出する社員総会と運営する理事会、監視役の監事で構成されます。

 出資者は直接経営に関与することができ、社員総会における意見反映や理事選任が可能です。

 一方、医療法人財団は財産を基盤に設立します。

 寄附された財産を管理する評議員会と運営する理事会、監視係の監事で構成される医療法人です。