
福祉事業のうち、社会福祉法人の利益は非営利目的で運営をするため、株式会社などの利益を追求する法人とは異なります。
利益は地域の福祉増進に充てられるため、出資持ち分がなく、解散するときは国庫に帰属します。
しかし、継続した事業安定には、一定の収益性確保は欠かせません。
福祉事業の利益について、社会福祉法による取り決めや利益の扱いを解説します。
社会福祉法では、社会福祉事業に支障のない範囲のみで、公益事業や収益事業を行えます。
ただし、収益事業による利益は、社会福祉法人の活動費に充てられなければなりません。
内部で利益分配などはできないため注意しましょう。
また、収益事業の種類に制限はないものの、法人の信用を損なう業種や、投機的性質を持つ業種は不適切です。
社会福祉法人の利益は、非営利の原則に基づいて、法人全体の福祉増進に使用されます。
株式会社では、得た利益を株主に分配金として支払いますが、社会福祉法人ではできません。
得た利益は、施設の維持・運営・サービス質向上・地域貢献活動などに充てます。
また、社会福祉法人が解散した場合、財産は国庫に帰属することになります。
収益事業は、たとえば以下のような社会福祉法人としての品位を損なわない安定経営を可能とする事業です。
・所有の土地を活用した駐車場経営
・公共施設などにおける売店経営
・印刷業
・物件の賃貸業
・医療施設の経営
厚生労働省の「社会福祉法人審査要領」でも、社会福祉法人の信用を傷つけるリスクがある事業は相応しくないと記載があるため、次に該当する事業は避けてください。
・風俗営業及び風俗関連営業
・高利な融資事業
・上記2つの事業へ不動産を貸し付けるなどの便宜を供与する事業
また、以下の場合は、社会福祉事業の円滑な遂行を妨げる恐れもあります。
・社会福祉施設の付近で、騒音・ばい煙などを著しく発生させるケース
・社会福祉事業と収益事業が同一設備を使用して行うケース
なお、法人税法でも34の収益事業が定められています。
非営利法人において法人税の課税対象となる収益事業は、継続して事業場を設けて行うものであり、性質上、その事業に付随して行う行為を含みます。
対象となる事業が課税された場合、法人税を納めることが必要です。
社会福祉法における収益事業と、法人税法における収益事業は、それぞれ範囲が異なる部分もあるため、慎重な判断が求められます。