
福祉事業者と大学院の関係は、人材育成の枠にとどまらず、福祉サービスの高度化や学術研究の深化を平行して進めるパートナーシップといえます。
福祉現場の抱える専門的な課題に対応するために、大学院の高度な研究能力と理論的な知見を応用することで、実践的な解決策を見出せることも期待できます。
そのため、福祉事業者と大学院が連携することは、福祉全体の発展や貢献につなげられる可能性を秘めているといえます。
両者が円滑に連携するためには、双方の目的や文化の違いを理解し合うことが不可欠です。
そこで、福祉事業者と大学院の関係について、連携による双方のメリットや課題を解説します。
大学院と連携する福祉事業者のメリットは、主に以下の3つです。
・専門的人材を確保できる
・現場課題を解決できる
・先進的な研究や技術を導入できる
大学院で高度な知識を習得した人材なら、科学的根拠に基づいた意思決定が可能であると考えられるため、福祉現場におけるリーダーや管理職として働く人材になれることが期待されます。
反対に、福祉現場の職員を大学院へ派遣することで、組織全体の専門性の底上げにつながります。
福祉現場の抱える経営課題や支援困難な事例などについて、大学院生や教員が研究者としての客観的・体系的な分析を行いことで、課題の解決策を導き出せる可能性もあります。
新たな利用者へのアプローチ方法の開発や、現場職員のメンタルヘルス対策、事業運営の効率化構築など、研究テーマを通じた実践的な解決策の導き出しが期待されます。
大学院の研究室で開発した、福祉機器・情報システム・ケア技法などを現場で実証実験の形式により導入することで、最先端のサービス提供が可能になるとも考えられます。
福祉事業者と連携した大学院のメリットは、主に以下の4つです。
・研究フィールドを確保できる
・研究に深みを持たせられる
・研究を実践的に検証できる
・教育機会を提供できる
大学院が福祉事業者と連携することは、研究のリアリティと社会実装性の確保において欠かせません。
文献研究だけで得ることのできない生きた情報や現場のリアルな課題に触れることができ、研究テーマの具体化や深みを持たせることにつなげられます。
大学院での研究成果が現場でどのように機能して、効果を期待できるのか、実践的に検証できます。
大学院生と現場職員との協働により、理論を実践に応用する能力やコミュニケーション能力を養ってもらえます。