
福祉事業における酸素計測(血中酸素飽和度測定)は、利用者の健康維持において欠かせません。
特に、呼吸器・循環器系に疾患がある利用者などのバイタルチェックで必要であり、日々の体調確認や異変の早期発見などで重要な役割を担います。
適切な機器の活用で、利用者の健康状態を把握し、生命を守ることや生活の質の維持・向上につなげることができます。
重要なケアの1つといえる酸素計測ですが、福祉事業における意義や、現場で求められる取り扱いについて簡単に説明します。
酸素計測は、パルスオキシメーターで経皮的に血中酸素飽和度(SpO2)を測定して行います。
健康な人の血中酸素飽和度は96~99%程度が標準値ですが、この割合よりも数値が下がると、体内に十分な酸素が供給されていないと考えられます。
そのため、酸素計測も福祉事業において必要といえますが、特に以下の点で重要といえます。
・疾患の早期発見
・医療連携の判断の指標
・体調スクリーニングの標準手法
利用者の血中酸素飽和度値を定期測定すれば、肺炎や心不全などの疾患の早期発見につながります。
在宅酸素療法を行う利用者や、喀痰吸引や経管栄養などの医療ケアが必要な利用者にとって、適切な処置や判断の重要な指標にもなるといえます。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、体調スクリーニングの標準的な手法としても広く普及しています。
厚生労働省は、パルスオキシメーターによるバイタルサインチェックについて、医療行為には該当しない指針を示しています。
ただし、適切な研修を受けなければ、介護職員による実施はできません。
また、測定値による診断や、医療機器以外での血中酸素飽和度の測定は、目的性で医療機器への該当性が判断されるため注意してください。
在宅酸素療法を必要とする利用者には、動脈血酸素分圧が55mmHg以下またはSpO2が88%以下などの一定条件下で、医療保険適用による酸素濃縮装置などが導入されます。
そのため、福祉入所施設やショートステイなどで上記に該当する利用者を受け入れるときには、医療機関や訪問看護事業所と密に連携を取りましょう。
特に、酸素濃縮器を設置する場所や取り扱いなどにおいては、医師の指示に基づいて適切に行うことが求められます。