建設業の人工代とは、作業員1人あたり1日の人件費です。
請負業者から発注者へ請求される費用であり、日給・残業代・休日出勤手当などの手当が内訳として請求書に記載されます。
そこで、建設業の人工代について、作業員の請求方法と事業者の会計処理・支払い方法を紹介していきます。
建設業の人工代とは、作業員1人あたりの1日の人件費で、請負業者から発注者に請求される費用です。
作業員が人工代を請求するときは、条件などを詳しく書き入れましょう。
何人が何日間働いたのかカッコ書きなどで付け加えておくことと、小計・消費税・税込請求金額を計算して記載します。
たとえば1日あたりの金額を示すため、何時間働いていても請求額は変わりません。
1日3万円で1人が勤務したのなら、「1人工費=3万円」です。
事業者が人工代を支払ったときの会計処理方法は、外注費の扱いと同じです。
ただし状況によって、外注費ではなく給与とする場合もあります。
税務調査で外注費が給与に認定されてしまうと、消費税と源泉所得税の追徴課税が発生するため、どちらか判断できない場合は税務署などに確認することをおすすめします。
給与は支給時に所得税の源泉徴収義務が生じ、外注費に源泉徴収義務はありません。
さらに給与は不課税取引で仕入税額控除できませんが、外注費は課税仕入取引で仕入税額控除できます。
事業者の作業員に対する人工代の支払い方法は、建設業では下請代金はできる限り現金払いとされています。
手形払いは120日以内に収めることが必要です。
また、建設業法で注文者から請負代金の出来高払い、または竣工払いを受けたときには、1か月以内に下請負人への支払いを行うこととされています。
人工代は、作業員1人あたり1日の作業量に対する費用であり、外注費として取り扱う場合は支払う側の経費として計上されます。
支払われる側は事業所得として申告が必要です。
ただし人工代を給与として経費計上するときは、支払われる側は給与所得になり、支払う側も源泉徴収することが必要となります。
人工代の相場は、国土交通省が公表している「公共工事設計労務単価」で確認できるため、確認しておくとよいでしょう。
参考:国土交通省 令和6年3月から適用する公共工事設計労務単価について
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00204.html