建設資材の値上がりが止まらず、高騰し続けているといえます。
鋼材は、原料である鉄鉱石や石炭の輸入価格が高騰していることが関係しており、配管用鋼管や空調用銅管などの価格改定が収まりません。
さらに原油価格高騰で石油化学製品も値上がりし、塩ビ管やポリエチレン管なども断続的に価格は上昇しています。
このような度重なる値上がりで、管工事の資機材を取り扱う販社などからは落胆に近い声が聞こえるようになりましたが、今どれほど深刻な状況にあるのか説明します。
世界的に原油価格が高騰しているため、海運コンテナ船の運賃も急騰しています。
建物に使用する建設資材も軒並み値上がりしている状態であり、特に木材や鋼材は価格高騰で厳しい状態になっているといえるでしょう。
建物の柱や梁に使う「H形鋼」や「鉄筋」なども、段階的に値上がりしています。
価格が高騰しているのは木材などの資材だけではありません。
海外原料メーカーの供給不安などを要因とした建築用塗料の価格改定も見られます。
シンナーや溶剤系塗料などの価格は15~20%ほど値上げとなり、コスト転嫁に悩む塗装会社なども少なくありません。
さらに内装材の価格が上昇しており、化粧板やトイレブースなどは5~25%値上げとなっています。
化粧ボード全般も10~15%、壁紙や床材なども13~18%値上げ価格に改定されているため、やはり厳しい状況といえるでしょう。
特に値上げに対し、強い危機感を抱いているのは管や空調衛生業界です。
原油高で国際的なナフサ価格が高騰し、給排水で使用する塩ビ管や継ぎ手は値上がりしました。
塩ビ製品やポリエチレン製品、硬質塩ビライニング鋼管なども価格が改定され、7~20%以上の値上がりです。
ポリエチレン管全般も値上げとなるなど、様々な資材が高騰している状況といえるでしょう。
樹脂製品や鋼管は年4回値上がりするなど、通常では考えられない価格改定が続いています。
半導体が不足しているため、温水ボイラのスイッチや温水洗浄便座などは供給しにくくなり、物件引き渡しにも影響しかねない状況です。
海外事情も影響し、事業者だけの自助努力で対処することは難しく、今後、どのような価格変動が起きるのか注目しておく必要があるでしょう。