建設工事現場では、安全確認のための「指差し呼称」が非常に重要とされています。
「指差し呼称」とは、作業を安全にミスなく進めていくために欠かせないものであり、行わなかったときと行ったときではミスの発生割合が異なります。
しかし具体的にどのように行えばよいのかわからない方も少なくないことでしょう。
そこで、「指差し呼称」の方法と、行わなかったときのリスクなどについて説明していきます。
「指差し呼称」は、危険なポイントを含む作業において、対象を見つめながら指差しして行います。
左手は腰にあて、背筋を伸ばしはっきりした声で呼称し確認しましょう。
重大なミスなどで事故が起きた作業や、まだ事故には至っていないもののリスクの高い作業は、ミスが起きやすいため指差し呼称による確認が必要です。
対象となるのは作業内容により異なるものの、作業位置・姿勢・服装など一緒に作業する相手、または作業に使用する設備・機器などといえます。
「指差し」と「呼称」を共に行わなかったときの操作ボタンの押し間違いの発生率は、「呼称」のみ行ったときと「指差し」だけ行ったときのミスより多くなります。
そのため「指差し呼称」を行えば、確認の精度を高め作業に対する意識も向上させることができるため、ミスを減少させることにつながります。
作業者が全員でスローガンなどを指差ながら唱和する「指差し唱和」を「タッチ・アンド・コール」といいます。
目標に対する気合をチームで一致させ、一体感を高めつつチームワークを育むことにもつながります。
どれほど注意していたとしても、ヒューマンエラーと呼ばれるミスが起きてしまうこともあります。
いつもと同じ作業や長い経験などは、自身の能力を過信してしまいミスを起こすことにつながりやすくなるでしょう。
しかし普段から努力や工夫、訓練することで過信を防ぎ、ヒューマンエラーの発生を防ぐことができます。
作業を始める前に自らを見つめなおし、気を引き締めた上で作業を始めることができるように、どの工事現場でも安全確認を踏まえた「指差し呼称」を徹底して行うようにしましょう。
労働災害防止活動を進めていくためにも、「指差し呼称」による意識づけは重要といえます。