建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設企業におけるリスクアセスメントの必要性

2016.10.27
分類:その他

職場に存在している危険性や有害性をどのように特定することができるかによって、リスクアセスメントが効果を発揮するかが決まります。

 

 

リスクアセスメントを実施するために

リスクアセスメントを行っていくためには、まず企業全体で一斉に展開していくことが望ましいでしょう。もしくは特定の現場や作業グループ等から実施していき、結果に基づいて全体に広げていくようにしましょう。さらにリスクの特定を行う際には、次のようなことに注意する必要があります。

・対象になる作業の計画や手順書を準備する

・対象になる作業を単位で区分する

・作業区分をさらに作業単位に細分し作業名を決定する

・危険性や有害性の特定はリスクアセスメントマニュアルの活用により作業単位ごとに 「~のときに~なので~をすると~になる」という形で書き出す

・日常の作業とは異なる視点で現場を観察する

・故障や人的ミスを前提に作業現場を観察する

リスクの見積もりは複数で

特定した危険性や有害性に対してリスクの大きさを見積りますが、様々な観点から検討することによって適切な見積りが可能です。そのため出来る限り複数で実施することが望ましいでしょう。リスクの見積りはリーダーや安全衛生責任者が助言を行う中、作業内容をよく知っている作業者が中心となって行いますが、次のことに留意しながら意見を出し合って集約していきましょう。

・作業の実態と安全対策を考慮する

・災害のタイプを考えて具体的な負傷や疾病の重篤度を想定する

・危険性や有害性に接触・接近して災害になる度合を想定する

・分析により説明のつく見積りの値を出す

・メンバーの納得できる見積りの値を決定し、メンバーの意見を十分調整する

・見積りの値は平均点ではなく話し合いで合意したものを採用する

計画的に実施することが大切

リスクアセスメントは職場に潜んでいる危険性や有害性の特定を行い、それによって労働災害における災害の程度と可能性の度合いを合わせたリスクの見積もりを行います。見積もりの値の大きさに基づき、それらのリスクを低減するために行うべき対策の優先度を決定し、リスクをどのように除去そして低減していくことができるかの措置を検討します。このような一連の流れによって記録されたリスクアセスメントは、安全衛生計画に盛り込んだ上で計画的に実施していく必要があります。

建設企業をとりまくリスクに対応するために

建設業は危険が多い業種ですので、様々な方面からどのようなリスクがあるかを認識しておく必要があります。リスクの特定ができればあとはどのように対策していくかを決定していく必要がありますが、作業内容を良く知る人たちがメンバーとなり複数で話合いながら決定して行くことが望ましいでしょう。