建設工事業情報ラボConstruction Business Information Lab

建設工事を請け負う際に必要な契約書の印紙税を節税する方法とは?

2018.03.07
分類:その他


工事の請負い時には「工事請負契約書」を取り交わすことが一般的ですが、この契約書は印紙を貼る必要がある印紙税の課税文書です。
契約書は工事を発注する側と受注側、それぞれが保管する必要があるので、2通分の印紙が必要になりますが、同じ契約書なのに余分に印紙を準備することを無駄に感じる人も少なくないでしょう。
そのため工事請負契約書に貼る印紙を抑え、印紙税を節税する方法はないのか、確認していきましょう。


契約書には印紙税が必要?
印紙税を貼る必要があるのは、印紙税法別表第1に規定されている20種類の文書を作成した場合です。
工事請負契約書もその中の1つですが、いくらの印紙を貼る必要があるかは、契約書に記載された契約金額によって異なります。
請負に関する契約書の印紙税は、例えば記載された契約金額が1,000万円超 5,000万円以下であれば2
円の収入印紙が必要です。

・軽減措置で印紙税が削減できる
しかし、平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間で作成された建設工事請負に関しての契約書の場合、軽減措置により印紙税が削減できます。
同じく記載された契約金額が1,000万円超 5,000万円以下であれば、1万円の印紙を貼れば良いので半分に抑えることが可能です。


一部は写しで対応すると印紙税削減に?
2通必要となる契約書ですが、工事を発注する側が保管する契約書を原本にして、受注側は原本の写しを保管するようにすれば印紙は1通分に抑えることができます。
印紙税法における課税文書とは、当事者双方、または文書を所持する側以外の署名または押印があるものです。
そのため発注側と受注側の署名押印した原本が1通しか作成されなければ、もう1通はただの写しになるので、印紙税の課税文書には該当しなくなるからです。

・写しに直接署名押印した場合は?
ただし写しに直接署名押印をした場合には、印紙税の課税文書として扱われることになるので注意しましょう。
また、契約書内に「本契約書一通を作成し、乙(例えば発注側)がこれを保管し、甲(受注側)はこの写しを保管する」との文言を盛り込んでおくことも忘れないようにしてください。


契約書で消費税を区分すると・・・
また、印紙税額表においての記載された契約金額は、基本的に消費税込みの金額です。
そのため契約書で消費税を区分して記載する場合には、税抜金額で印紙税額表を確認することになるので印紙税が安くなるケースもあります。


設計業務なども工事請負契約書に盛り込む
なお、先に述べたように請負に関する契約書の中でも工事請負契約書は軽減措置が適用されますが、設計請負契約書の場合は軽減措置が適用されません。
ただし設計業務など、工事請負契約書に建設工事以外の事項を併記した場合は、契約金額の全てが軽減措置の対象になるので、工事請負契約書に設計業務も盛り込んだ内容で作成すると良いでしょう。


うまく印紙税を節税するために
このように工事請負契約書の印紙税を節税する方法にはいくつかあります。
少しでも印紙税を節税するために、どの方法で作成していくか検討していきましょう。