
運送会社は、労働時間規制強化や入職者不足、既存の従業員高齢化による人手不足で、労働環境を改善しなければならない状況です。
解決策に、子会社を設立して業務の一部の分離や委託などを取り入れるケースなども増えつつありますが、子会社化にはいくつかの問題があります。
経営効率化やコスト削減の手段では有効であるものの、労働条件やサービス品質、法的リスクや経営戦略などへの影響を踏まえた上での決断が必要となるでしょう。
そこで、運送会社の子会社化の問題について、抱える課題と解決策を簡単に紹介します。
親会社と比較すると、子会社は賃金水準が低めに設定されます。
これは、収入減や待遇格差につながり、定着率低下や離職率を上げてしまう恐れにつながるでしょう。
社員のモチベーション低下は長期的な人材不足を深刻化させるため、子会社でも親会社基準の賃金・福利厚生を適用することや、労働時間管理や安全教育を徹底することが必要です。
親会社から子会社へ業務が委託されるときに、コスト削減を優先し過ぎてしまい、品質やサービスの質低下を招くことがあります。
子会社化による分業で顧客満足度が低下すれば、ブランド力や評判を落とし、信頼も失います。
また、子会社の情報共有や業務連携が不十分であれば、配送ミスやトラブルが増えるため、業務効率が低下します。
そのため、システムや管理ツールを活かしたリアルタイムでの情報共有や、迅速に対応できる体制整備などを行いましょう。
労働基準法や労働安全衛生法などの法令違反は、事業運営を続けることができない事態を招きます。
重大な事故やトラブルが起これば、親会社が責任を問われることも少なくありません。
子会社化で企業ブランドに影響することも懸念されるため、法令遵守の徹底や労務監査の定期実施、事故防止策強化などでリスク管理を徹底しましょう。
短期的なコスト削減や業務効率化を目的に子会社化を進めてしまうと、親会社の人材育成や技術継承において不利益が生じる恐れがあります。
また、物流機能を強化において、これまでのノウハウや人材不足が障害となってしまい、戦略的な柔軟性が下がるとも考えられます。
ノウハウを継承するためには、従業員への教育制度を整備し、親会社と子会社の社員で交流できる機会を設けたり研修を開催したりしましょう。