
運送会社の業務は、単なる輸送を超えて、現代社会の供給網であるサプライチェーン維持における核心といえます。
日本の経済活動を支える存在として、供給能力を維持することは社会における最優先課題といえるでしょう。
従来までの安さを追い求めるモデルから、持続できる輸送網の確保へと、供給戦略を変えていかなければなりません。
そこで、運送会社の供給網における役割について、問題や今後必要なことを解説します。
運送会社は、供給網といえるサプライチェーンにおいて、最終ランナー的な役割を担います。
製造現場から消費者の手元まで製品を届けるラストワンマイルを含む物理的な移動は、運送会社が担当します。
工場などで材料が加工され、製品が完成しても、市場に供給されなければ経済的価値は発生しません。
消費者が求める製品を、求めるタイミングで必要量輸送する供給責任を支える立場になるのが運送会社です。
配送スピードや正確性は、荷主が提供するサービス品質として消費者から評価されるため、運送会社の供給能力が荷主のビジネスの成否を決定づけると認識しておきましょう。
現在、運送会社は、供給における壁の問題を抱えています。
現場のドライバー不足と労働規制強化により、運ばなければならないモノはあるのに運ぶことができない状況です。
供給能力の低下が現実味を帯びている上に、走行距離の制限で長距離輸送維持が困難になっています。
今後、何もしなければ、2030年に輸送能力不足が深刻化するともいわれているため、対策が急務です。
現在は、物流の持続を担保しつつ、供給体制を変革するロジスティクスの進化が求められる時代といえます。
運送会社と荷主は、供給を止めないために、発注者と受注者の関係から共通課題へ挑戦するパートナーになることが必要です。
荷主は、運送会社の荷待ち時間を削減し、標準パレットを導入して荷役作業を効率化するなど、現場でも協力することが欠かせません。
また、最新技術を導入し、AIを使った需要予測や運行データのリアルタイム共有などで、無駄な配送を削減して供給密度を上げることが必要になります。
輸送手段をトラックのみに限定せず、鉄道や船舶も利用するモーダルシフトや、複数企業の貨物をトラックに相乗りさせる共同配送などを進めることも、限定されたリソースでの供給力維持につながるでしょう。