
運送会社の物流における在庫管理は、サプライチェーンにおいて欠かせません。
従来までの運送会社の役割は、A地点からB地点まで荷物を運ぶ輸送に限定されていましたが、荷主の在庫管理や戦略的な配置などの物流パートナーの役割が求められています。
そのため、単なる荷物の輸送手段としてではなく、在庫の適正配置を通じたロジスティクス戦略の実行者を目指しましょう。
そこで、運送会社の物流における在庫管理について、コストや一括化・拠点分散化を解説します。
輸送と在庫のコストには、トレードオフの関係が存在します。
たとえば、輸送回数を抑えて一度に大量の荷物を運べば、1個あたりの輸送単価を引き下げることができます。
しかし、荷主や店舗などの受け取り側は、在庫を大量に抱えなければならず、保管料や廃棄リスクが大きくなるでしょう。
反対に、輸送頻度を増やして必要量のみを運ぶ「ジャスト・イン・タイム方式」なら、運送会社の輸送コストは増えるものの、荷主や店舗の在庫を最小限に抑えられます。
運送会社は、頻回配送を簡単に受け入れるのではなく、在庫最適化の提案による輸送効率向上を目指すとよいでしょう。
運送会社では、荷主の代わりに在庫補充の計画や管理などを一括して行う、ベンダー管理在庫が進んでいます。
自社の倉庫内に顧客の在庫を保管し、出荷データと連動した配送を行うことにより、無駄な倉庫間の移動を減らせます。
配送ルートの最適化の実現で、在庫を圧縮でき、効率的な配送計画を立てることができるでしょう。
運送会社では、移動中の在庫をリアルタイムで把握するために、IoTやRFID(ICタグ)を導入しています。
トラックが現在どこにいて、何が積まれているか、デジタルで可視化されれば、走行中の車両をリアルタイムで動く倉庫として管理できます。
急な需要変動にも対応できるなど、柔軟な対応で過剰な安全在庫を抱える必要がなくなります。
運送会社では、ドライバーの拘束時間制限に対応するため、在庫拠点を分散することが必要です。
長距離輸送が難しくなったことで、主要都市周辺に中継拠点や共同配送センターを設置する運送会社も増えています。
在庫に関しても、大規模な一極集中型から小規模な多拠点分散型に変わりつつあるといえるでしょう。
拠点の管理・運営により、配送時間短縮と災害時におけるサプライチェーン寸断リスク低減に寄与されます。